市川染五郎“今までなかったものが誕生した” シネマ歌舞伎『阿弖流為』初日舞台挨拶 - 2016年6月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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シネマ歌舞伎『阿弖流為』舞台挨拶 1 左から中島かずき、いのうえひでのり、市川染五郎

▲ 左から中島かずき、いのうえひでのり、市川染五郎

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昨年7月に新橋演舞場で上演され好評を博した歌舞伎NEXT『阿弖流為〈アテルイ〉』が、シネマ歌舞伎化。同作の公開初日の25日に、都内の映画館で舞台挨拶が行われ、主演の市川染五郎、脚本の中島かずき、演出のいのうえひでのりが登壇した。

まず、染五郎は「本日、シネマ歌舞伎の『阿弖流為』が新たに誕生しました。いろいろな思い出がありますけど、新たに生まれ変わって、今、見てみるとシネマ歌舞伎の方が面白いと思っています(笑)」と会場を笑わせた。続けて「映画でも舞台でもないシネマ歌舞伎の新しいジャンルです。面白かったですよね?」と問い掛けると、客席から大きな拍手が起こった。

中島は「役者に負荷がかからない形でいくらでも見られるシネマ歌舞伎に生まれ変わって、本当に良かったなと人事ながらに思っています(笑)。一度だけでなく2度3度と周りの皆さんにも声をかけて見ていただければ」と挨拶。いのうえは「僕は、直前のラフを見たのですが、あらためて、歌舞伎役者はすげぇなと。僕ら(劇団☆新感線)のゲキ×シネでは“アップが多過ぎる”と批判を受けるんですが(笑)、これに関してはカメラマンが寄っていきたくなる気持ちが分かりますよね。こんな表情してるんだ! こんなに汗かいてるんだ! という発見があるのが、この映像の醍醐味ですね。2度3度見て新しい発見をしていただきたい」とアピールした。

染五郎が、劇団☆新感線とタッグを組んで2002年に上演した、いのうえ歌舞伎『アテルイ』を歌舞伎化した本作。染五郎は「『阿修羅城の瞳』で初めて一緒に(新感線と)やったんですが、思い起こすと、当時は“いのうえ歌舞伎”と付けられないかもというくらいでした。それが今では、六本木歌舞伎はあるし、超歌舞伎はあるし、滝沢歌舞伎もあるし(笑)、いろいろあって時代が変わったなと思います」と笑いながら「『アテルイ』は歌舞伎にしたい作品だと思っていて、新感線のテイストでやったらカッコいいだろうなと」と作品のきっかけを語った。

いのうえが「新感線と染ちゃんのコラボレーションは『朧の森に棲む鬼』で一区切りした感じがあって、次は新感線の作品じゃなくて、歌舞伎をやっていくべきだとなんとなく思っていたんです。そこで、最初に浮かんだのが『アテルイ』。確かパンフレットにも書いてあったと思うけど、当時、(市川)猿翁さんが“ギャグを抜けばすぐ歌舞伎になる”と言ってくれたんです(笑)」と明かすと、染五郎は「猿翁のおじさまが僕のお芝居を見に来ることはないだろうと思ってたいたけど、『アテルイ』を観に来てくださった。舞台上から、そのあたりの席を見てみたら空いてたんです。“うわー帰っちゃった!(笑) 何がいけなかったのかな? 芝居がいけなかった? ギャグが多過ぎた?(笑)”って思ってたら、カーテンコールではおじさまが拍手してくれてたんです。空いてる席は違うところで、誰かが帰ったんですね(笑)」とエピソードを披露。「(猿翁の姿を見た時は)鳥肌が立ちましたね。“歌舞伎になる”とも言ってくれた。今思うと“歌舞伎NEXT”になる作品だったんだなと感じます」としみじみと話した。

歌舞伎化に向けての創作について、いのうえは「(中村)勘三郎先輩の言葉に頼ると“歌舞伎役者がやれば歌舞伎になるんだよ”とおっしゃってくれたので、いつもと同じつくり方にしました(笑)。歌舞伎役者の肉体を通すと歌舞伎になるんだなと、稽古中に感じました」と振り返った。また「実は(歌舞伎俳優といのうえの演出は)合ってるんです。歌舞伎俳優は段取りに慣れているし、僕の演出もまず形に合わせたものがあって、そこから広がっていくもの。そういう意味では先に段取りを入れてからつくっていくことは、実は歌舞伎俳優に身に付いていることなんですね」と語った。

脚本については、中島は「ギャグを全部抜くと決めたんですが、ギャグを抜いたらホンが半分くらいになって……(笑)。『アテルイ』ってまじめな芝居のような気がしてたんですけど、こんなにくだらないことをやってたんだなとあらためて思いました(笑)。今回は(中村)勘九郎さん、七之助さんが出るということで、もう少し人情話を入れようと。そうすると歌舞伎になったというか、自分の中で納得のいくホンとして精度が上がりました」と自信をのぞかせた。

上演当時のことに話が及ぶと染五郎は「02年の時は、堤(真一)さんと両花道で名乗り合うのは毎日興奮した場面だったんですが、それが勘九郎君とできるということが、何よりうれしかったですね」と感慨深い表情で話すと、中島も「不思議ですよね。ただお互いに名前を言っているだけなのに(笑)、何でこんなに高揚するんだろうと。やっぱり歌舞伎の力ですよね」とうなずいた。

なお、染五郎、勘九郎、七之助という顔合わせは、いのうえ、中島によると「この三人でなければとお願いして、死守してもらいました」とのこと。染五郎は「面白かったですね。(勘九郎たちが)初めていのうえさんの演出目の当たりにして、こうやってつくってるんだ!っていちいち面白がっていたのが楽しかったですね」と回想した。

そして、今回のシネマ歌舞伎版の感想を問われると、染五郎は「面白い! すごく面白いですね。舞台の映像は記録として残るけど、お芝居を見る感覚とは違うものだったけど、こうして舞台が残る方法があるんだと感じました。10年後くらいに見たら、10年前のものを生で見てるような不思議な感覚になるんじゃなかな」と絶賛。いのうえは「荒覇吐(あらはばき)の正体が分かるシーンは、自分でつくっていて見事だなと思っていたんですが(笑)、映像だとその時の皆さんこんな顔してたんだ!って、その迫力をもう一度感じました」と満足そうだった。

最後に染五郎は「僕にとって本当に思い入れの強い作品が、新たにシネマ歌舞伎として皆さんの前にお見せすることができて、本当に喜んでおります。歌舞伎NEXTはもちろん、NEXTのNEXTと(笑)、続くように頑張っておりますが、いろいろな可能性がまだまだシネマ歌舞伎にあると思います。まず、その第1弾をたくさんの方に見ていただかないと。“舞台を映像で映す”、それだけだと説明が足りないんですけど、表現するものがないんです。というのは、今までなかったものなので。なかったものが誕生したところを、たくさんの方に見ていただきたいと思います」と熱くメッセージを送りイベントを締めくくった。

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  • シネマ歌舞伎『阿弖流為』舞台挨拶 1 左から中島かずき、いのうえひでのり、市川染五郎
  • シネマ歌舞伎『阿弖流為』舞台挨拶 2 市川染五郎
  • シネマ歌舞伎『阿弖流為』舞台挨拶 3 中島かずき
  • シネマ歌舞伎『阿弖流為』舞台挨拶 4 いのうえひでのり
  • シネマ歌舞伎『阿弖流為』舞台挨拶 5
  • シネマ歌舞伎『阿弖流為』ビジュアル
  • シネマ歌舞伎『阿弖流為』 サブ1
  • シネマ歌舞伎『阿弖流為』 サブ2
  • シネマ歌舞伎『阿弖流為』 サブ3

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