彩吹真央、小西遼生、鈴木壮麻主演『End of the RAINBOW』開幕 - 2016年7月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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昨年8月に日本で初演され、好評を得た『End of the RAINBOW』が、9日に俳優座劇場で再演の幕を開けた。20世紀を代表する天才エンタテイナー、ジュディ・ガーランド(1922〜69年)の晩年を活写し、ウエストエンドやブロードウェイで高く評価されたプレイ・ウィズ・ミュージックだ。映画「オズの魔法使」(39年)の可憐なヒロインで人気を博した彼女だが、47歳の若さで急逝した生涯は凄絶そのものだった。本作は、亡くなる前年の1968年、ロンドンのナイトクラブへの出演を控えるガーランドの葛藤と、歌う事への執念を生々しく描く。

スターの座をつかみながら10代で薬物に依存し、このころには完全にドラッグ&アルコール中毒状態だったガーランド(彩吹真央)。加えて危機的状況の彼女に関わる、5人目の夫兼マネージャーのミッキー・ディーンズ(小西遼生)と、伴奏を務めるゲイのピアニスト、アンソニー(鈴木壮麻)が本作の主役で、彼らの奇妙なトライアングル(三角関係)が、観客の心を捉えて離さない。

ガーランドの傲慢さの中に見え隠れする、愛を求める少女のような脆い一面を演じ切った彩吹。彼女に振り回され、その苛立ちと苦悩を剥き出しにし、終始テンションの高い芝居で拮抗するディーンズ役の小西。そしてガーランドの身を案じ、母親のような愛情で包み込むアンソニーを、繊細な演技で見事に演じた鈴木(同役で、第23回読売演劇大賞・優秀男優賞受賞)。二幕目で、救いを見出せない3人が感情をぶつけ合い、緊迫したバトルを繰り広げるシーンは本作のハイライトだ。初日では、あまりの迫力に場内は静まり返り、観客は固唾を呑んで舞台に見入っていたのが印象的だった。

初日に合わせ、作者のピーター・キルターが来日。キャストの健闘を称え、特に一気呵成に展開する二幕のドラマチックなパフォーマンスを絶賛していた。演出は、来年シアタークリエで『キューティ・ブロンド』を手掛ける俊英・上田一豪。また新キャストで、寺元健一郎(インタビュアー役)が参加している。

それにしても、フレッド・アステアやフランク・シナトラと並び、ガーランドほど楽曲に恵まれたパフォーマーも稀だろう。前述の「オズ〜」から生まれ、終生のテーマソングとなった〈虹の彼方に〉はもちろん、「若草の頃」(44年)の〈トロリー・ソング〉や、「スタア誕生」(54年)の〈行ってしまったあの人〉など、彼女のために書かれた名曲を、緊密感溢れる空間の中、“生”で堪能する醍醐味は格別だ。さらに、絶唱型で時に大仰なガーランドのボーカルを自分なりに咀嚼し、丁寧に歌い上げる彩吹の演唱が素晴らしい。

俳優座劇場での公演は7月24日(日)まで。以降、大阪と水戸でも上演される。お見逃しなく。

(文=中島薫)

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