萩尾望都「観客を冬のパリに連れていってくれるはず」 Studio Lifeが『エッグ・スタンド』を初舞台化 - 2017年2月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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Studio Life『エッグ・スタンド』会見 1 左から、岩崎大、曽世海司、松本慎也、萩尾望都、山本芳樹、久保優二、笠原浩夫

▲ 左から、岩崎大、曽世海司、松本慎也、萩尾望都、山本芳樹、久保優二、笠原浩夫

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Studio Life『エッグ・スタンド』会見 2 倉田淳(左)と萩尾望都

▲ 倉田淳(左)と萩尾望都

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『トーマの心臓』『11人いる!』『マージナル』といった萩尾望都作品を取り上げてきた劇団Studio Lifeが、「エッグ・スタンド」を初舞台化。その3月の開幕に先立って、原作・萩尾と脚本・演出の倉田淳による対談と製作発表会が行われた。

1984年に発表された本作は、第二次世界大戦中、ナチス占領下のパリを舞台として、少年ラウル、キャバレーの踊り子ルイーズ、レジスタンスの青年マルシャンを中心に描く人間ドラマ。萩尾はそのきっかけを「親の世代が太平洋戦争を経験したので、興味があって(戦争に関する)本を読んでいた。20歳くらいのころアラン・レネ監督の『二十四時間の情事』を見て、“戦争の悲しみは個々、人に落ちてくる”と非常にショックを受けた。そういう作品が描きたいなと思ったんです」と話す。

「パリを脳内旅行しながら描き上げた」という本作。印象的なタイトルについては「卵ってもともと壊れやすいものじゃないですか。世界全体が不安定なもので、ちゃんとエッグ・スタンドの上に乗せて守らないと壊れてしまう。そういう危機感があったんだと思う」とタイトルが意味するところを語った。

それを受けて倉田は「危うい空気が漂う今の時期だからこそ、この作品を上演する意義がある」と上演を決意した理由を述べる。「登場人物の心情が(心に)響いて響いて仕方がない」と萩尾作品ならではのドラマ性に心を寄せる倉田。「登場人物の奥行きの深さに打ちのめされます」と舞台化での苦労を語ると、萩尾は「Studio Lifeなら、観客を冬のパリに連れていってくれるはず。倉田マジックで何か感じる舞台にしていただけると思う」と絶大な信頼と期待を明かした。

なお、40年ぶりの続編で話題を呼んでいる「ポーの一族」について、萩尾は「夢枕獏さんが会うたびに“『ポーの一族』の続編が読みたいなあ”とずっとおっしゃるのを聞いていたら、だんだん“描こうかな”と洗脳されました(笑)。描けるかどうか不安だったんですけど、還暦を過ぎて、“描くなら今だ”と。何か言われたら“すみません、還暦を過ぎたから許して”と言おうと思って(笑)」と笑顔を見せた。

続いて、製作発表会が行われ、代表・藤原啓児は「萩尾先生のご厚意に恥じぬよう、出演者一同精いっぱい務めていきたいと思います」、脚本・演出の倉田は「この作品は第二次世界大戦のナチス占領下のパリという状況にありながら、人間がどう生きていかなければいけないかという普遍が描かれている。真摯に、一言一言を大事に取り組ませていただこうと思います」と上演への熱い思いを述べた。

そのほか、メインキャストのコメントは以下の通り。

■松本慎也 ラウル役(Noirチーム)
萩尾先生がつくった美しいせりふを舞台で口にできるのは役者として幸せなことです。上質なフランス映画に自分が入り込めたような感覚になります。登場人物たちの繊細な感情のやり取りを生身の僕たちが舞台で演じられるように、密な稽古をしています。

■山本芳樹 ラウル役(Rougeチーム)
萩尾先生の作品はStudio Lifeの原点。その分、大変で難しいこともあるが、ワクワクしながら取り組んでいます。(萩尾作品で)初めて演じたのが『トーマの心臓』のユリスモールでした。役者としての僕を形成しているものの多くが、萩尾先生の作品との出会いにあります。

■曽世海司 ルイーズ役(Noirチーム)
萩尾作品には、演じないとわからない気付きや奥行きがあります。この作品を演じて、戦争で割を食うのは庶民だなということを感じました。ルイーズという若い女性の役をやらせていただきますが、彼女が今生きているという瞬間を大事に演じたいです。

■久保優二 ルイーズ役(Rougeチーム)
萩尾先生の作品を演じると感情の幅がどんどん広くなる。今いる自分は、萩尾先生の作品とStudio Lifeのおかげです。何一つ妥協することなく、自分の中にあるものをすべて絞り出しながら演じたいです。

■岩崎大 マルシャン役(Noirチーム)
マルシャンのような大人の男はほぼ初めてに近い役どころ。マルシャンが原作の中に描かれていない過去に何があったか模索しながら、少しずつ形になるように挑んでいます。萩尾先生の作品は役の染み込み方が全然違いますね。

■笠原浩夫 マルシャン役(Rougeチーム)
稽古をやればやるほど、重さをひしひしと感じています。マルシャンとしてはその重さを現代に通じる身近なものとして感じていただけるようにしたいです。『トーマの心臓』初演でオスカーを演じて、役者としての寿命が何年か伸びたかな(笑)。僕にとってはターニングポイントになった作品です。

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  • Studio Life『エッグ・スタンド』会見 1 左から、岩崎大、曽世海司、松本慎也、萩尾望都、山本芳樹、久保優二、笠原浩夫
  • Studio Life『エッグ・スタンド』会見 2 倉田淳(左)と萩尾望都
  • Studio Life『エッグ・スタンド』会見 3 松本慎也
  • Studio Life『エッグ・スタンド』会見 4 山本芳樹
  • Studio Life『エッグ・スタンド』会見 5 曽世海司
  • Studio Life『エッグ・スタンド』会見 6 久保優二
  • Studio Life『エッグ・スタンド』会見 7 岩崎大
  • Studio Life『エッグ・スタンド』会見 8 笠原浩夫
  • Studio Life『エッグ・スタンド』会見 9
  • Studio Life『エッグ・スタンド』チラシ

インフォメーション

Studio Life『エッグ・スタンド』

【スタッフ】原作=萩尾望都(「エッグ・スタンド」小学館文庫「訪問者」収録) 脚本・演出=倉田淳
【キャスト】松本慎也、山本芳樹/曽世海司、久保優二/岩崎大、笠原浩夫/船戸慎士/奥田努/仲原裕之/宇佐見輝/澤井俊輝/若林健吾/田中俊裕/千葉健玖/江口翔平/牛島祥太/吉成奨人/藤原啓児
*「Noirチーム」「Rougeチーム」の交互出演

■東京公演
2017年3月1日(水)〜20日(月・祝)
・会場=シアターサンモール

■大阪公演
2017年3月24日(金)・25日(土)
・会場=ABCホール

各公演とも
・チケット発売中
・料金=全席指定5,800円/3月3日・7日 19:00の回:4,900円/学生券3,000円

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