“北九州”と“ラブ”をモチーフに送るノゾエ征爾の新作 北九州芸術劇場プロデュース『しなやか見渡す穴は森は雨』製作発表会 - 2017年2月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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北九州芸術劇場『しなやか見渡す穴は森は雨』会見 2 ノゾエ征爾

▲ ノゾエ征爾

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2・3月に福岡と東京で行われる北九州芸術劇場プロデュース公演『しなやか見渡す穴は森は雨』の製作発表会が、1月27日(金)に同劇場にて行われた。

演劇界の第一線で活躍する劇作・演出家が約1カ月間にわたり北九州に滞在し、オーディションで選出された北九州・福岡を中心に活躍する役者・スタッフと共に作品をつくり上げる本企画。2008年からスタートし、時代と共に変わりゆく街や人びとの多様な姿を描いた地域色豊かな作品を、全国へと発信してきた。

第9弾となる今回、作・演出に迎えるのは劇団「はえぎわ」のノゾエ征爾。“北九州”と“ラブ”をモチーフに新作を書き下ろす。また、キャストには過去最多となる113名のオーディション応募者から選出された16名が参加。ノゾエ曰く「オーディションという短い時間の中でちょっと好きになった人たち」というメンバーと共に北九州の地で創作に挑む。

会見では、ノゾエが「今回のタイトルは、出演者の頭文字を一字ずつ組合せたもの。このメンバーだからこその作品にしたいという強い想いを込めて考えた」とその意図を明かすと、会場からは感嘆の声が上がる一幕もあった。

そのほかプロデューサー・能祖將夫とノゾエの主なコメントは以下の通り。

■能祖將夫(北九州芸術劇場プロデューサー)
このシリーズは、この北九州というところにこだわって作品がつくれないかなということで2008年に『青春の門 放浪篇』(原作=五木寛之/脚本・演出=鐘下辰男)を立ち上げました。あらためて僕らがこのシリーズで何がやりたいのかと問うと、北九州というものをモチーフに、それは九州のモチーフの一つである役者も含めこの土地の風土、雰囲気、においなどから、日本を代表するあるいは若手中堅の最前線を走る作家・演出家が一体どんなドラマを紡いでくれるのか、ということが見たいんですね。
ノゾエさんの世界観は僕の感覚で言うと“ビターファンタジー”というか、地上3cmくらいに浮遊している登場人物がよく出てくる。その人物たちが葛藤を抱えていたり、苦難や苦渋を背負っていたり、愛が欲しかったり。それが何かおかしなことになっていくのですが、それをシリアスでもなくコメディーでもなく、微妙なところで描く世界観が好きですね。
それと、ノゾエさんは、舞台美術に何か物語を象徴させていく。例えば前回のドラマだと糸を使ってそこに人間関係を集約させてみたり、抽象度の高い舞台美術ですが、今回も果たしてどのような舞台美術になるのかということも楽しみだなと思っています。

■ノゾエ征爾(作・演出、はえぎわ)
最初の構想では北九州ではなく東京を舞台にして、いろいろな人たちがそこで葛藤し生活し、最後に北九州の人たちだったって明かすとどうなるかな、と考えていました。離れて気付くこと、なくして気付くこと、そういう視点からや人への想いというものを描こうと。
でも、2日ほど稽古をやって、その構想と何かが合わないなと思ったんです。それで、稽古時間にみんなで北九州の街を散歩しました。旦過市場とかよく歩くような場所ではなくもっと生活臭のあるところ、あえて見どころがある場所でなく家が立ち並ぶところとか。レトロなものや古いものが点在している感じも魅力は感じるんですけど、もっと思ったのは、装ってない、整理されてない、“まんま”があるという感じがすごくあって。息遣いじゃないですけど、何かが染み込んできて、リアリティーが生まれた。
それは、具体的に脚本にどう生かすというよりは、根底に流れる血として、その衝動から出てくるものだと思います。僕からすれば遠く離れた土地に来て、普段接しない人びとと接する中で湧き起こった衝動をちゃんと作品に転嫁していくべきだし、どこに行きつけるのか、今すごく楽しみです。
ストーリーは、具体的にはまだ何とも言えないところがあるんですが(笑)、舞台は北九州にしました。北九州で生活している、特殊なところにいる人というよりは、身近な人たち。例えば女子高生とか、普通に街を歩いていたら困った状況に遭遇する男性とか、そういういくつかの人間関係が派生して大きな群像劇になっていく。
何回か北九州に来させていただく中で、何か曇っているような、グレーのようなものをどこか感じていて。“曇っている=負のイメージ”ではなく、そこから何か晴れやかに見渡すような感じが作品で描けたらと思っています。僕の作品には穴がよく出てくるんですが、それはハマったり落ちるものだったり、時には生まれるところだったり、光が差し込むところだったり。そういう生きづらい中で光を見ている、見つけられるような作品にしたいなと思っています。

この記事の写真

  • 北九州芸術劇場『しなやか見渡す穴は森は雨』会見 1
  • 北九州芸術劇場『しなやか見渡す穴は森は雨』会見 2 ノゾエ征爾
  • 北九州芸術劇場『しなやか見渡す穴は森は雨』会見 3
  • 北九州芸術劇場『しなやか見渡す穴は森は雨』ビジュアル

 

インフォメーション

北九州芸術劇場プロデュース
『しなやか見渡す穴は森は雨』

【スタッフ】作・演出=ノゾエ征爾
【キャスト】椎木樹人/中薗菜々子/山中志歩/片渕高史/三好美優/脇内圭介/高山実花/鈴木隆太/青木裕基/中前夏来/橋本隆佑/森川松洋/梨瑳子/原岡梨絵子/荒巻百合/目次立樹

■福岡公演
2017年2月26日(日)〜3月5日(日)
・会場=北九州芸術劇場 小劇場

■東京公演
2017年3月10日(金)〜12日(日)
・会場=あうるすぽっと

各公演とも
・チケット発売中
・料金=全席自由 一般3,000円/当日3,500円

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