KAAT神奈川芸術劇場 2017年度ラインアップ発表会 - 2017年2月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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KAATラインアップ発表会 1 後列左から、白井晃、高山明、長塚圭史、ラサール石井、谷賢一、前列左から、三浦基、三瀬夏之介、森山開次、矢内原美邦、小野寺修二

▲ 後列左から、白井晃、高山明、長塚圭史、ラサール石井、谷賢一、前列左から、三浦基、三瀬夏之介、森山開次、矢内原美邦、小野寺修二

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KAAT神奈川芸術劇場の2017年度ラインアップの発表会が、同劇場にて行われた。

4月のラインアップ幕開けを飾るのは、処女戯曲『みちゆき』でAAF戯曲賞を受賞した注目の新星・松原俊太郎と地点・三浦基のタッグによる『忘れる日本人』。続く5月には劇場芸術監督・白井晃演出の『春のめざめ』が、夏には森山開次が手掛けるキッズ・プログラム『不思議の国のアリス』が登場する。また、白井は、秋にもヴァージニア・ウルフ作『オーランド』をホールにて上演する。

その後も、矢内原美邦(Nibroll)、小野寺修二(カンパニーデラシネラ)、高山明(Port B)、岡田利規(チェルフィッチュ)と多彩な面々がそろうほか、長塚圭史はルイージ・ピランデッロの代表作『作者を探す六人の登場人物たち』を上演。また、ラサール石井演出で好評を博したミュージカル『HEADS UP!』の再演が決まった。最後は、谷賢一を演出に迎えての『三文オペラ』で締めくくる。

■三浦基
KAAT×地点 共同制作第7弾『忘れる日本人』演出
僕は脚本を書かないので、今まで、古典や小説のコラージュを演出してきました。今回のように、書き下ろしをお願いして上演することは珍しいことです。松原戯曲は評価を得てますが、戯曲としては2作目。(外国語を)自動翻訳機にかけたらこうなるんじゃないかというような、何か間違っているけど、どうも単語だけがビシバシ直訳されるような、独特な文体でして、そういうのが日本の作家で出てきたのは、極めて特異なんじゃないかなと思っています。本人はすごく声が小さいのですが、書き出すと3〜5ページくらいの長ゼリフを普通に書いちゃう。そういう意味ではベケットやピンチョンとかを消化して、さらに長ゼリフも書ける作家の到来だと思っています。彼にはのべつ幕なしの“不満”があるんでしょうね。そういったものがユーモラスに描ければ勝ちかなと思っています。ですが、なにせ僕も書き下ろしでまったく評価が定まっていない作品ですので、これが成功すれば喜ばしいなと期待しています。

■三瀬夏之介
KAAT EXHIBITION 2017「かたり(語り/騙り)の空間」
日本画は普段は和の空間にあるのですが、今回は劇場の中ということで、この空間に非常に可能性を感じています。出品されるほとんどが日本画のジャンルです。そういったものが、劇場に入って吊るされたり、自立したりと、通常と違う形式の展示をすることで、劇場をジャックしていこうと考えています。
今日は山形から出てきました。制作者のほとんどは東北で制作しています。今年で震災から6年。山形は微妙な場所で、直接な被害はあまりなかったのですが、6年経ってようやく僕たちのいろいろな“かたり”が生まれるような空間にできたらと思います。

■森山開次
KAATキッズ・プログラム『不思議の国のアリス』演出・振付・美術・出演
KAATでは『Lost Memory Theatre 』『夢の劇』に携わってきました。昔は子供のために踊ることは考えてなかったのですが、今はライフワークとして、子供の目線も考えて作品づくりをしていきたいと考えています。「不思議の国のアリス」は、いろいろな形で受け継がれ、語り継がれている作品で、いろいろな可能性があると思うので、僕たちなりのダンスで、子供たちに負けないような想像力で作品づくりをしていきたいですね。
ダンスを基本にしていますが、言葉の面白さもありますので、ロロの三浦直之(テキスト担当)さんの力もお借りして、言葉とダンスの表現をしていきたいと思います。

■矢内原美邦
KAAT×Nibroll『作品2017(仮)』振付・演出
Nibrollは今年で20周年で、隣のおのでらん(小野寺修二)と一緒にセッションハウスで無茶をやってたなと思い出していたところです(笑)。ダンスがこの20年でどう変わってきたのかを、私たち振付家は考えていかなきゃいけない。いろいろなアプローチに変わってきていると思うんです。社会的だったり、子供に話しかけるようなダンスとか、もっと言えば、楽しく踊ることを重視されるとか。
Nibrollとしては、今、世界的にあった風景が一瞬で壊れてしまう状況があるということを感じて、作品化していきたいと考えていて、昨年公演を行った犬島は、3000人くらいいた島が、今は30人くらいしかいないという島でした。たった50年で変化してしまったんです。例えば、50年後は今私たちが住む街はまだあるのか? とか切に考えて、KAATの皆さんと一緒にやっていきたいと思っています。

■小野寺修二
KAAT×小野寺修二(カンパニーデラシネラ)
日越国際共同制作プロジェクト『Without Signal!(信号がない!)仮』演出
昨年、文化交流使としてベトナムのハノイに行きました。正直に言ってとてもワクワクしたんです。ものすごいバイクの量と騒音で、健康上良くないと思われるような環境の中で、人々は生きているのですが、20年くらい見つめてきた演劇とかダンスをすっ飛ばして、ここで住んじゃおうかなってくらいでした。
このワクワクを探さないといけないと考えてみて、大きく言うと“今の日本人に足りてないもの”がベトナムにあるのでは、と感じたんです。それは僕に足りてないものかもしれないけど、忘れかけていた、捕まえないといけないものがあるのではと気付いたんです。
表現の上で一番大切にするのは身体。身体を見ていただけたら、間違いなく日本人とベトナム人の差が分かるし、同じのなのも分かる。そういう小さいところから積み重ねることで、もしかしたら、大きなテーマでの文化交流も分かるかなと作品をつくっています。いずれにしても、今自分の感じるワクワクをお客さんにも共有してもらえるように頑張ります。

■高山明
KAAT×高山明(PortB)『ワーグナープロジェクト(仮)』構成・演出
今回は『ニュルンベルクのマイスタージンガー』をやります。日本の劇場では8年ぶりで、何をやろうと考えていた時に、ワーグナーをやりたいと直感的に思ったんです。ワーグナーは近代演劇のチャンピオンみたいなところがあって、そのすごさは何かというと“観客を舞台に集中させる”“観客の存在を消してしまう”ということ。客電を消し、オケピを沈めてしまったのはワーグナーで、観客の身体や観客論を軸に演劇をつくってきた僕とは真っ向から対立するんです。もう一回、劇場に帰ってきた時に、ワーグナーは最高の素材で、観客に主体を取り戻せるか? というのがテーマです。
東京オリンピックがあるのであれば、横浜でオリンピックとは違う祝祭をどうできるか? 『ニュルンベルクの〜』を選んだのは東京オリンピックを意識しています。主人公は靴の職人さん。ワーグナーで町人が主人公のオペラはこれだけだし、喜劇もこれだけ。ヒトラーが最も愛したオペラでもあります。求心的で町人を主人公にした革命的なエネルギーを持っている作品を、どう解体して、劇場という場で新たに祝祭みたいなものがつくれるか挑戦したいと思います。

■長塚圭史
『作者を探す六人の登場人物』構成・演出
作家としても演劇をやる人間としても惹かれた作品で、やりたいと思っていたんですが、非常に上演しにくい作品でした。劇団が稽古しているところに、作者を探す6人の登場人物たちがやって来る。役者たちは変な奴らだと思っていたけど、どうやら登場人物は面白そうな背景を抱えているから、僕らで演じてみようとなるんですが、登場人物に「リアルじゃない」と笑われたりと、非常に変わったお芝居なんです。
劇場論とか、俳優論とか、さまざまな演劇の持ついろいろなアングルを網羅している作品なんですが、俳優と登場人物の違いの見せ方など課題の多い作品なんです。最近はよくダンサーと交流しているので、身体とのコラボレートでその難しさを超えられるのではと。ワークショップも重ねていて、どうなるか実験的な試みですが楽しくできればと思います。
ややこしそうですが、子供が見ても楽しめるSF性があって、単純に楽しいと思うんです。スタジオに摩訶不思議な空間ができないかとニヤニヤしてます。それからスタッフさんとか、登場人物が多いんですね。KAATの劇場スタッフの人にも出てもらって、どこまでが劇なのか分からない状況までにできたらと考えていて、すでにスタッフにも声をかけています(笑)。

■ラサール石井
ミュージカル『HEADS UP!』原案・作詞・演出
アカデミックなラインアップの中に、オリジナル・ミュージカルで、しかもコメディーというエンタメ作品を入れてもらえる、という懐の深さをありがたいと思ってます(笑)。
2年前にまったくゼロから、当時、私の頭の中にハッキリしてなかったものをよくやらせてもらえたなと思います。あまり日の当たることのなかった、スタッフ、演出部、衣裳、音響、制作などにスポットを当てた、バックステージものでしかもミュージカル。カラ舞台から始まって、いろいろなことが起きる中で立て込みで1幕が終わって、2幕はカーテンコール後のバラシから始まって素舞台に戻す。このアイデアはどこが面白いのかと言われてきてたのですが(笑)、何とかKAATでできました。倉持さんのホンはもちろん、演出部の素晴らしい力で、KAATでなければおそらくできなかっただろうと思っています。
大変だったのは、リノリウムを敷くこと。舞台の端から端までのリノリウムを巻くと死ぬほど重いんです。劇中では、哀川翔さんに蹴ってほどいてもらうんですが、全然動かない(笑)。何とか練習して、最終的に3本のリノリウムを敷いて、テープを貼るという作業を、2分間の曲の中で、歌い踊りながらやることに成功するという、それだけでも面白いエンターテインメントにできたのではないかと思います。
初演は「神奈川かぁ、遠いなぁ」なんて言われましたが、意外にも好評で、口コミが口コミを呼んで、千秋楽には超満員で終えることができました。今回の再演は、12月(KAAT)と3月(TBS赤坂ACTシアター)という、変則的スケジュールにかかわらず初演メンバーの80%くらいがそろいます。KAATの温情でACTシアターでもできます。これで神奈川だからと言い訳できないのでぜひ観に来ていただきたいと思います(笑)。

■谷賢一
『三文オペラ』上演台本・演出
今まではテキストや戯曲という形でKAATの公演に関わってきて、今回はついにホールでの演出です。“ざまみやがれ”と思ってます(笑)。
とても好きな空間だし、いつか必ずやりたいなと思っていたので、とっても長い時間をかけて準備してきました。自分は今34歳なんですが、これからの30〜40年で、自分たちが芸術のことを責任を持って考えないといけないということもあり、大舞台でやらせてもらうには社会的意義のある作品はなんだろうと。白井さんとお話をして『三文オペラ』に決まりました。白井さんもやりたがっていたので、取っちゃったところもあるんですが(笑)。
民衆の力をピックアップした上演にしたいと思います。今、民主主義がどうあるべきかと問われている中、ブレヒトが100年近く前に書いた戯曲で訴えていたもの、皮肉に描いていたものをフィーチャーしていきたいと考えています。
皆さん劇場という空間について話していたのが共鳴することろなんですが、ブレヒトは作品と観客席がどういう関係を持つかに集中し、そこを今までの概念を塗り替えた演出家でもありました。その手法を教科書的になぞるのではなくて、どう遊んでいけるか? そして、今の劇場がお客さんとどういう関係を持つべきなのかを探る、楽しい芝居にしていきたいと思います。

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  • KAATラインアップ発表会 1 後列左から、白井晃、高山明、長塚圭史、ラサール石井、谷賢一、前列左から、三浦基、三瀬夏之介、森山開次、矢内原美邦、小野寺修二
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  • KAATラインアップ発表会 3 三浦基
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  • KAATラインアップ発表会 5 森山開次
  • KAATラインアップ発表会 6 矢内原美邦
  • KAATラインアップ発表会 7 小野寺修二
  • KAATラインアップ発表会 8 高山明
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  • KAATラインアップ発表会 10 ラサール石井
  • KAATラインアップ発表会 11 谷賢一

インフォメーション

【KAAT 神奈川芸術劇場 2017年度主催公演 主なラインアップ】

KAAT×地点 共同制作第7弾
地点『忘れる日本人』

2017年4月13日(木)〜23日(日)
・中スタジオ

KAATプロデュース
『春のめざめ』

2017年5月5日(金・祝)〜23日(火)
・大スタジオ

KAAT EXHIBITION 2017「かたり(語り/騙り)の空間」
2017年4月30日(日)〜5月28日(日)
・中スタジオ、大スタジオ、アトリウム

KAATキッズ・プログラム2017
『ピノキオ〜または白雪姫の悲劇』全国ツアー

2017年7月〜
・大スタジオほか、全国ツアー(11劇場)を予定

KAATキッズ・プログラム2017
『不思議の国のアリス』

2017年7月22日(土)〜8月6日(日)
・中スタジオ

KAATキッズ・プログラム2017 海外招聘
THE LAST GREAT HUNT『アルヴィン・スプートニクの深海体験』
劇団コープスCORPUS『ひつじ』
2017年8月
・大スタジオ、アトリウム

KAAT Dance Series 2017
KAAT×Nibroll『作品2017(仮)』

2017年8月
・大スタジオ

KAAT Dance Series 2017
KAAT×小野寺修二(カンパニーデラシネラ)
日越国際共同制作プロジェクト『Without Signal!(信号がない!)仮』

2017年9月
・大スタジオ

KAAT×PARCOプロデュース
『オーランドー』

2017年9月中旬〜10月中旬
・ホール

KAAT×高山明(PortB)
『ワーグナープロジェクト』
(仮)
『ニュルンベルグのマイスタージンガー』を「上演する」
2017年10月
・大スタジオ

KAATプロデュース
『作者を探す六人の登場人物』

2017年10・11月
・中スタジオ

チェルフィッチュ『三月の5日間』リ・クリエーション
・2017年11・12月
・大スタジオ

KAATプロデュース
ミュージカル『HEADS UP!』
2017年12月
・ホール
*2018年3月に東京・TBS赤坂ACTシアター公演あり

KAATプロデュース
『三文オペラ』

2018年1月
・ホール

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