仲代達矢「自身のドキュメンタリーとも言える」 小林政広監督映画「海辺のリア」が6月に公開 - 2017年3月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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仲代達矢を主演に迎えた小林政広監督の映画「海辺のリア」が、6月3日(土)に全国公開される。

「春との旅」(2010年)「日本の悲劇」(12年)でタッグを組んできた小林が、仲代に捧げた脚本を書き上げた。本作で、仲代が演じる主人公・桑畑兆吉は、舞台や映画で役者として半世紀以上のキャリアを積み、さらに俳優養成所を主宰する大スター。84歳、俳優人生65年、最前線での活躍を続けてきた、仲代自身の役者人生を投影しているような役どころだが、シェイクスピアの『リア王』だけは演じたことがなく、認知症の疑いが見え始めているという設定だ。

長女・由紀子とその夫であり兆吉の弟子だった行男、そして、由紀子と愛人関係にある謎の運転手に裏切られ、遺書を書かされた挙句に高級老人ホームへと送り込まれてしまう兆吉。施設を脱走し、何かに導かれるように、あてもなく海辺をさまよい続ける兆吉は、妻とは別の女に産ませた娘・伸子と突然の再会を果たす。伸子に『リア王』の最愛の娘・コーディーリアの幻影を見る兆吉。やがて、兆吉の身にもリア王の狂気が乗り移る。かつての記憶が溢れ出した時、兆吉の心に人生最後の輝きが宿り……。

仲代のほか、伸子役には黒木華、由紀子役に原田美枝子、運転手役に小林薫、行男役に阿部寛と、共演には実力派たちが集結。かつてのスターと、そこに深く関わる人々の感情が強くぶつかり合い、人間の“純粋さ”と“邪悪さ”が絡まり合う複雑な関係が紡がれていく意欲作に仕上がっている。

■仲代達矢
この作品は“仲代達矢の人生そのもの”かもしれません。往年のスター・桑畑兆吉が、人生の最後を自由に楽しむ、そんな映画です。それは、絶望ではなく希望。約束ごとなど一切なしに、気持ちのままに放浪する、そんな姿は、少し滑稽でもありますが、頼もしさも感じられます。人は誰でも“変わらないもの”を持っています。兆吉にとって、それは“演じること”。役者の魂を解き放つかのように、リア王のせりふをとうとうと述べるクライマックスには、そんな想いが込められています。
お気付きかと思いますが、この作品は“仲代達矢のドキュメンタリー”とも言えるかもしれません。実際、シナリオを読んだ瞬間、「ああ、遭遇してしまった。今だからこそできる作品に……」と思いました。すてきな共演者にも刺激を受けながら撮影でき、今までにない作品になりました。小林監督の描く、人間の光と影、納得できる終末−−。人間の生き方を皆さまも想像していただけたらと思います。ぜひ、劇場でご覧ください。

■阿部寛
兆吉という役に入り込んでいる仲代さんは、生命力に溢れ、その姿は神々しく美しく見えました。威厳あるリア王がまるで乗り移ったかのような芝居でした。行男は、兆吉の“自由さ”にどうすることもできなく翻弄されていくのですが、まさにそうやって仲代さんのお芝居に巻き込んでいただいた印象です。

■黒木華
仲代さんと1対1のお芝居で感情をむき出しにする場面が多く、難しい役でしたが、仲代さんの力強く自由な演技に圧倒されながら楽しく演じることができました。私が演じた伸子は、絶望の中にいながらもなお、わずかな希望を信じて家族とのつながりを求めています。生きる理由が分からずにもがいている中で、伸子が選択した人生をご覧いただければと思います。

■原田美枝子
「海辺のリア」は、長い間、第一線で芝居を続けてこられた仲代さんだからこそできる作品です。映像に写し取られたのは、リア王であり、俳優であり、仲代達矢さんご自身のようにも見えました。冷たい娘の役ではありますが、共演させていただけたことがとてもうれしかったです。

■小林薫
「海辺のリア」は仲代さんの仕事ぶりを間近で見させていただく機会でもありましたが、長ぜりふもカンペキ! 砂浜を何往復もし、アスファルトの坂道をさまよい歩く体力にも驚かされました。歳をとると言うのはおかしくも哀しいもので、体力も衰え記憶力も曖昧になっていくということです。老人ホームを抜け出した兆吉の姿と仲代さんとが重なり、シェイクスピアの劇世界と現(うつつ)が渾然一体となっていくラストは圧巻でありましたが、見終わって、歳をとるのも悪くないと勇気をもらった次第です。

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映画「海辺のリア」

【スタッフ】脚本・監督=小林政広
【キャスト】仲代達矢/黒木華/原田美枝子/小林薫/阿部寛

2017年6月3日(土)テアトル新宿、有楽町スバル座ほかにて全国公開
・配給=東京テアトル

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