震災を通して“虚実”描く青春群像劇 堀井新太&黒島結菜出演×岩松了作・演出『少女ミウ』開幕 - 2017年5月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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『少女ミウ』開幕 1

▲ 黒島結菜(左)と堀井新太

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堀井新太&黒島結菜らを出演に迎えた岩松了の新作『少女ミウ』が、21日にザ・スズナリにて開幕した。

2011年の『国民傘』以来、6年ぶりにザ・スズナリに登場した岩松。今回は、堀井&黒島のほか若手俳優たちをメンバーにそろえ、東日本大震災を題材にした青春群像劇を送る。

黒島演じるタイトルロールのミウは、“あの会社”の社員で賠償問題の責任者だった人物を父に持つ中学生。失踪した父親と一家心中してしまった家族たちからたった一人残されてしまったという役どころだ。一方、堀井は、ミウともう一人の少女アオキユーコを通して復興の軌跡を追うというTV番組の腕利きパーソナリティー・広沢を演じる。

避難指示区域にあったかつてのミウの家とTV局が、2段となってつくり上げられた舞台セット。物語は、6年前と現在を行き来きしながら展開していく。また、キャストの大半は、2つの時間軸でそれぞれ別の2役を演じるというトリッキーな構成。被災地の状況に対して真の実感を持てない首都圏や、ドキュメンタリーから徐々に練られたフェイクへと変化させていくメディアなど、“虚偽と真実”をめぐるドラマが紡がれていく。

初日を前にした堀井、黒島、岩松のコメントは以下の通り。

■堀井新太
(初日を迎えるにあたって)緊張していますけど、楽しみの方が強くて。稽古でやってきたことを思い切りやるしかないですね。ドラマ(「3人のパパ」)の撮影と並行して稽古していたのですが、ドラマの役とはとてもギャップのある大人の役なので、頭が良く見えるようにしないと(笑)。
稽古での岩松さんの“千本ノック”は、すごく楽しかったです。最初分からなかったことが分かってくるという、繰り返すことはそこに意味がありますね。例えば、「なぜここは机を触りながらセリフを言うんだろう?」と最初思っても、その仕草を何回も何回もやっていくと日常になってきて、そこに“居る”人になっていく。そういう新しい発見が常にどんどん出てくるのが面白かったです。

■黒島結菜
岩松さんの稽古では“千本ノック”と呼ばれるように同じシーンを繰り返しやっていくんですけど、何回もやるうちに手とかちょっとビリビリしてきたり、今までなったことのない感覚になることが何回かありました。初めて体がそういう感じになったなっていう。考えなきゃいけないことが多くて頭もすごく使ったし、でも考えすぎてもわからなくなってしまうので、目の前のことを一つひとつやっていけば、積み重ねで全体が見えてくるのかなと思いながらやっていました。そうしてつくり上げていったミウは、うまくつかめないとかいうことはなく、自分と離れているとか近いとか、そういうこともあまり気にしませんでした。今ミウを演じられて良かったなって、すごく思っています。

■岩松了
この作品の脚本を執筆中に、別の仕事の取材で福島に行っていたんです。最初から温めていたというよりは、自分の生理的なものが福島に向かっていたのでごく自然に、こういう題材の話になっていきました。
若い俳優たちとやると、少しずつ良くなっていくのを目の当たりにできるのが楽しいから、本当は稽古があとひと月ぐらいあればいいなというぐらい。もしそれぐらいあれば、黒島さんや堀井くんに対しても今感じていることとはまた別のことを僕が感じ始めると思うし、そうなると人物像の輪郭がまた膨らんでくるから、やればやるだけ面白い座組みだろうなと思っているんですが。こういう座組でつくるものについては、よくできたお菓子を「はい、どうぞ」と安全なところから差し出してもあまり意味ないなという感覚が僕の中にあります。そうではなく、自分の身を少し危険に晒したものを届けてみたい気持ちがあって、そうした作品になっているのではないでしょうか。

公演は6月4日(日)まで。

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