市川猿之助、ルフィ役は「一生の宝物」 スーパー歌舞伎II『ワンピース』製作発表会 - 2017年7月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
サイト内検索
すべて|
公演名|
人名・劇団名|
劇場|
演劇ニュース
様々な条件で検索
こだわり検索
注目キーワード

演劇ニュース

このエントリーをはてなブックマークに追加
ニュースを購読する
スーパー歌舞伎II『ワンピース』会見 1 市川猿之助

▲ 市川猿之助

画像を拡大

スーパー歌舞伎II『ワンピース』会見 4 横内謙介(左)と市川猿之助

▲ 横内謙介(左)と市川猿之助

画像を拡大

このほかの写真も見る

市川猿之助主演で、尾田栄一郎の大ヒット漫画を歌舞伎化した、スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』が、今秋、新橋演舞場で再演。本公演の製作発表会が都内で行われ、主演の猿之助と脚本・演出の横内謙介が登壇した。

“ゴムゴムの実”を食べ、身体が自在に伸びる“ゴム人間”となった主人公の海賊モンキー・D・ルフィをはじめ、個性豊かな海賊たちが大冒険を繰り広げる「ONE PIECE」。猿之助&横内のタッグで、2015年に新橋演舞場で初演された歌舞伎版も20万人を動員するヒット作となった。

その好評の声に応え、このたび再演が実現。大阪・福岡公演を経て進化しているという本作に猿之助は「バージョンアップではなく、新しい『ワンピース』になる」と意欲的に語ってみせた。また、今回は、尾上右近をルフィ役とハンコック役の二役に抜てきし、若手が中心となる特別マチネ「麦わらの挑戦」を実施。この試みに猿之助は「自分が一番いい状態のときに、次の担い手に渡すのは歌舞伎が続くための使命。周りの(坂東)巳之助君、(中村)隼人君、(坂東)新悟君たちも100%以上の力を出さないとけいけない。どうなるかお手並み拝見」と期待を寄せた。

初演の会見では「原作を読んでいない」という発言も飛び出したが、今となっては猿之助は「(原作を読んだか)僕のルフィを見れば100%分かる」「今はもうルフィしか考えられない」と胸を張る。「それだけ愛着がありますから。死んだ時に、当たり役に佐藤忠信(『義経千本桜』)、ルフィと並んだらいいじゃないですか(笑)。もう一生の宝物だと思ってますね」とうれしそうに笑った。

そのほか会見でのコメントは以下の通り。

■横内謙介
2年前、(初演で)同じように会見があった時は、歌舞伎界と漫画界を敵に回すような恐ろしい試みで、この船に乗ってしまった私はなんなんだろうと、ウソップのような気持ちでいました。その時は台本はまだ第一稿、しかも「(猿之助が)原作を読んでいません」という恐ろしい発言まで飛び出して……(笑)。稽古自体は楽しく進みましたが、原作への理解不足なところもあり、私は密かに、集英社編集部を“GHQ”呼ぶようなやり取りもありました(笑)。でもそれは、国内だけど異文化交流だったなと思います。
紆余曲折を経て開幕して、うれしかったのは、歌舞伎界・漫画界のお客さまに大きな声で受け入れてもらったこと。演劇仲間からも歌舞伎とワンピースの親和性の良さを受け取ってもらえました。それは、輸入文化のようなイメージながら日本文化の発展系である漫画と、日本文化の源流に近いところにありつつ新たなものを受け入れる歌舞伎は、出会うべくして出会った、世界に誇るべき日本文化なのではと手応えを得る中で感じました。
ただ正直、幕を開けるまでが精いっぱいでして、われわれもお恥ずかしながら、公演をやりながら「ONE PIECE」への理解も深まり(笑)、やるべきことはこれだったと、やりながら気付いたこともありまして、大阪ではかなり別なものといえる進化をしたと思います。僕の例では、「白ひげ海賊団」の手下たち。たった一言のセリフの小さな役のキャラにもファンがいることを地肌で感じ、“手下1・2・3”と書いたのは大間違いだったと気付きました。もう一度原作に立ち返り、役を考えてみた結果、俳優さんたちが名前をもらったことで輝きを増して臨んでくれました。最初に異文化としてぶつかった「ONE PIECE」の世界が、一つ上に上がった瞬間だと感じました。
大阪、福岡で進化してきましたので、これをもう一度、最初に観てくれた人たちに見せたいと思いましたので、今回の機会を得たことをとてもうれしく思います。
【前回の経験を経て】
俳優たちが大事だと思いました。近年、流行っている「2.5次元舞台」では、基本、顔の良い青年たちが、漫画的な美しさを表現しているけど、歌舞伎俳優たちの力は、原作をコピーするのではなく、一度解体して別のものにして提示することができる。「猿之助さんはルフィそのもの」とは言うけど、近くで見るとそうそう少年ではないし(笑)。ところが芝居になると、少年であり超能力者であることを再構築できるんです。それは、猿之助さんだけでなくて、若手たちも、役を与えたところから、自分でストーリーを組み立てていて、歌舞伎という気持ちが出てくる装置がうまく作動した時に、輝くんだという体験しました。
マルコという役があって、初演では脇役だったんです。再演では、「尾上右近を入れるから見せ場をつくるように」と無茶ぶりを言われて、書き換えることになるんですが(笑)。このマルコという役、前回、中村勘九郎さんが声の出演をしてくださった時、稽古場の雑談で「好きなキャラはマルコ」って言うんです。僕の中では脇役だと思ってたんですけど、そう言われて、読み直すと確かに面白い。
俳優が役を得て命を吹き込む瞬間、漫画の人物がその場にいる感覚。漫画に舞台がすり寄るのではなく、漫画を俳優たちが噛み砕いて具現化する力を感じました。ほかの2.5次元作品をディスるわけではありませんが、漫画の舞台化する際に、この人たちの仕事をメッセージとして伝えたいと思いました。

■市川猿之助
“名作”と現代にうたわれる歌舞伎も、初演からその形があったものではありません。何回も上演され、あらゆる俳優の工夫を経て、そして究極の形が出来る。やはり、再演を重ねることは素晴らしい作品をつくる上で必要なこと。伯父の猿翁からも常々「新作を1回つくることは、わりと簡単なもの。再演を重ねるような新作をつくることが難しい」と言われてきました。『ワンピース』が再演できるのは、そのすべての答えだと思っています。
尾田先生からは「君は何をやってもルフィにしか見えない」と言葉をいただきました。歌舞伎でも最初は細部にこだわってやりますが、でも、それだけでは駄目。発展段階では“自由にやることが大事”なんです。先輩方もよく「役の心さえつかめば、何をやってもいい」という究極の教えをおっしゃります。再演で役が自分のものになっていると思って、心を掴んで自由に羽ばたきたいと思います。
【初演での中村勘九郎・七之助の声の出演について】
あの時は、中村屋兄弟からどうしても出たいと言ってくれました。出演は難しくナレーションとなったのですが、喜んで関わってくれたし、皆さんも喜んでくれました。それは、ちゃんと苦しい思いをして勉強をしてきたからこそで、感慨深いものがあります。彼らに限らず、平(岳大)さん、浅野(和之)さんだってそうだし、心意気がうれしいんです。だから、これは僕一人でなく、みんなでつくってるんだと思ってます。と、言うと「そういうところがルフィだ」と言われます。僕はみんなでつくりたいと思っているので、今回も役を独り占めしないでみんなに振るようにしています。
【若手への期待】
右近君の方が若いけど、今回で、歌舞伎は、歳を重ねれば重ねるほど若い演技を知ると学んでくれるかと。また、周りの若手は、僕が主役であることに、ある意味助けられていたと思います。今回、主役が若手になった時、今度は彼ら(坂東巳之助、中村隼人、坂東新悟)が、100%以上の力を出さないといけない。先輩との共演では勉強にならない、カバー力が難しいと思います。これで、彼らが何かをつかんでくれればと、僕は泣く泣くWキャストにしました(笑)。
【手を伸ばす演出について】
こういった漫画が、実写化されるとなると、話題になるのはそういうところ。ただ、僕らが当初心配したのは、原作を知らない人が『ワンピース』の世界に入れるか? ということ。能力を説明したりとか最初はやっていたんですが、上演を重ねるとそれはいらないと分かりました。能力とかは、世界観に溶け込んでいるので、みんなすんなり入ってくる。
もちろん、手が伸びるところでは喜んでくださるんですが、それが“非常に重要か?”というとそうではなく、やっぱりお話がきっちりしていることが大事。尾田先生が描いてらっしゃる人間の変わらないもの、そのドラマに感動するので、能力の再現は彩りでしかない。それは、特に原作ファンの方からの反応からもそう感じたので、今回は説明に使ってきた部分をドラマに込めて、より普遍的なものを見せられるかと思います。
【演出プランについて】
前回は、行き詰った時には「ゆず」の北川悠仁さんに相談したりして、彼らとしゃべっていた時や、彼らのステージから発想の得てたんです。幸か不幸か、5月に彼らの20周年のライブを観まして、そういう刺激を受けると、新たなことをやってみたくなる。ライブと歌舞伎の違いはあるけど、そこで使われた演出を取り入れてみたいですね。最新技術を使ったことをやってみたくて、たぶん映像を使ったものになるかと。それと、上演時間はなるべく短いほうがいいので、終わっても銀座の街を楽しめる、濃密な上演にしたいと思います。

この記事の写真

  • スーパー歌舞伎II『ワンピース』会見 1 市川猿之助
  • スーパー歌舞伎II『ワンピース』会見 2 横内謙介
  • スーパー歌舞伎II『ワンピース』会見 3 市川猿之助
  • スーパー歌舞伎II『ワンピース』会見 4 横内謙介(左)と市川猿之助
  • スーパー歌舞伎II『ワンピース』会見 5 市川猿之助

インフォメーション

スーパー歌舞伎II『ワンピース』

【スタッフ】原作=尾田栄一郎 脚本・演出=横内謙介 演出=市川猿之助 スーパーバイザー=市川猿翁
【キャスト】市川猿之助/市川右團次/坂東巳之助/中村隼人/尾上右近/坂東新悟/市川寿猿/市川右近/市川弘太郎/坂東竹三郎/市川笑三郎/市川猿弥/市川笑也/市川男女蔵/市川門之助/平岳大/嘉島典俊/浅野和之

2017年10月6日(金)〜11月25日(土)
・会場=新橋演舞場
・一般前売=10月分:8月20日(日)開始予定/11月分:9月18日(月・祝)開始予定
・料金=全席指定1等席16,500円/2等A席9,500円/2等B席5,000円/3階A席5,000円/3階B席3,000円/桟敷席17,500円
*麦わらの挑戦:1等席14,500円/2等A席8,500円/2等B席4,500円/3階A席4,500円/3階B席2,500円/桟敷席15,500円

関連サイト

トラックバック

この記事のトラックバックURL

http://www.theaterguide.co.jp/mt/mt-tb.cgi/9406