鈴木亮平主演×栗山民也演出 新国立劇場『トロイ戦争は起こらない』製作発表会 - 2017年7月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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新国立劇場『トロイ戦争は起こらない』会見 1 左から、三田和代、鈴木杏、鈴木亮平、一路真輝、谷田歩

▲ 左から、三田和代、鈴木杏、鈴木亮平、一路真輝、谷田歩

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開場20周年という節目の年を迎える新国立劇場2017/2018シーズン。その幕開けを飾る、栗山民也演出『トロイ戦争は起こらない』の製作発表会が行われ、同劇場芸術監督・宮田慶子のほか、キャストの鈴木亮平、一路真輝、鈴木杏、谷田歩、三田和代が登壇した。

永年にわたる戦争に終わりを告げ、平和が訪れたトロイの国を舞台に、戦争再発の危機をめぐる人びとの姿を描いた本作。小説家・劇作家でありながら、フランス外務省の高官としても活躍し、情報局総裁まで務めたジャン・ジロドゥが、1935年のナチスドイツが台頭するパリで、戦争に突き進む人間の愚かしさをあぶり出し、平和への望みをかけて書いたものだ。

宮田は「秋からスタートする2017/2018シーズンは新国立劇場開場20周年という節目のシーズンでもあり、その記念公演にふさわしい作品を上演でき、非常にうれしく思っています」とあいさつ。作品に「戦いに疲れ、それでも戦いに飲み込まれていくエクトールに、外交官のジロドゥは自らを重ねたのだと感じます。いつの世も変わらない人間の姿を描き出した作品でもあり、こんな現在だからこそこの作品が強い力で観客に訴えかけていくのではないかと思います。演出には栗山民也氏、そして翻訳は岩切正一郎氏にお願いをしました。素晴らしいキャストも揃い、私自身も非常に楽しみにしています。」と期待を寄せた。

主人公トロイの王子・エクトール役を演じる鈴木は、大好きな世界遺産でもあるトロイについて熱く語りつつ「この作品は限りなく現代に近い戦争について描かれていて、むしろ、ジロドゥさんに興味を持ちました。普通の感覚では“間違っている”と言える戦争が、どの角度で見た時に“正しいもの”になってしまうのか見つけていきたいと思います。共演者は皆さん初めてなのですが、妻であるアンドロマック役の鈴木杏さんとはW鈴木ということで相性はいいんじゃないかと(笑)。深い衝撃を与えられるような作品になると思います。楽しみにしてください!」と語った。

ギリシャの王妃エレーヌ役を演じる一路は「鈴木亮平さんが今、学校の先生のようにお話してくださったので、稽古場で分からないことがあっても心強い、と思ってます(笑)。憧れの劇場で、ようやくご一緒できる憧れの栗山さんと、本当にすてきな環境で新しい舞台に挑戦できることをとても幸せに思っています」と喜んだ。

エクトールの妻アンドロマック役を演じる鈴木杏は「W鈴木のもう一人の方、鈴木杏です」とジョークを交えながら、「台本を最初に読んだ時は胸をキリキリと痛むような気持ちになったけれど、意外に笑えるシーンもあり、題材が重い作品だけにそういう部分も大切にしていきたいです」と意気込む。

ギリシャの英雄オデュッセウス役を演じる谷田歩は「自分はギリシャ作品を演じるのは2度目で、とにかく女性が強いと感じました。強い女性に負けないように強いオデュッセウスを演じていきたい」と気合を入れた。

エクトールの母エキューブ役を演じる三田和代は「エキューブは非常にエスプリの効いた、いわゆる“お母さん”という感じの母親ではない。いつも冗談や皮肉を言っていて、なんとなく(作者ジロドゥと同じ)フランス人の感じがします。舞台を50年やってきて初めて出会うキャラクターのように思います。不安と興奮、そして喜びを感じています!」と力強いメッセージを送った。

■栗山民也(代読メッセージ)
世界最古の物語といわれる長編叙事詩『イリアス』を、数年前に舞台化しました。その分厚い上下二巻の文庫本を読みながら強く惹かれたのは、この叙事詩が人から人へと語り継がれてきた“声”の口承だということでした。
その中に作品のキーワードが、いくつも浮かんで見えてきます。戦争、暴力、権力、家族、愛、不信そして孤独。それらは、ギリシャの昔から今のわたしたちにも繋がれているものばかりで、その神話をもとに1935年にフランスの劇作家ジャン・ジロドウによって新たに書かれたのが、今回の『トロイ戦争は起こらない』です。この戯曲は、第二次世界大戦勃発の危機を予感し、力強く精緻に、そして詩的にも醜く歪んだ光景の数々を映し出します。そのジロドウの平和への願いも空しく、フランスはその4年後にドイツ軍の侵入を受けるのですが。ジロドゥ自身、この作品の主題に“戦争と平和”を祈る、と記しています。
この劇の主人公であるエクトールは、「相手を殺すのが、まるで自殺のようだった」と語ります。現在の核の時代では、一つの国家や民族だけでなく、それは全人類の自殺を意味することになるでしょう。自らつくり出したものに滅ぼされていくことこそ、繰り返される人間の歴史なのですが、この劇の奥底から、今も続く愚かな戦争のいくつもの断面が、炙り出されてくるのです。
この文章を書いている今、テレビから沖縄の戦後72年の「慰霊の日」の映像が流れています。国籍など問わず、すべての犠牲者の名を刻んだ「平和の礎」に込めた多くの人の思いを、こころに刻みます。そして、文学や芸術の持つ普遍の力を、再び思います。この最悪、最低の政治状況のもとで、この作品の「人間と時代について」の有効性を、見つめてみたいと思います。

この記事の写真

  • 新国立劇場『トロイ戦争は起こらない』会見 1 左から、三田和代、鈴木杏、鈴木亮平、一路真輝、谷田歩
  • 新国立劇場『トロイ戦争は起こらない』会見 2 鈴木亮平
  • 新国立劇場『トロイ戦争は起こらない』会見 3 一路真輝
  • 新国立劇場『トロイ戦争は起こらない』会見 4 鈴木杏
  • 新国立劇場『トロイ戦争は起こらない』会見 5 谷田歩
  • 新国立劇場『トロイ戦争は起こらない』会見 6 三田和代
  • 新国立劇場『トロイ戦争は起こらない』会見 7 宮田慶子

インフォメーション

新国立劇場 開場20周年記念 2017/2018シーズン
『トロイ戦争は起こらない』

【スタッフ】作=ジャン・ジロドゥ 翻訳=岩切正一郎 演出=栗山民也
【キャスト】鈴木亮平/一路真輝/鈴木杏/谷田歩/江口のりこ/川久保拓司/粟野史浩/福山康平/野口俊丞/チョウ ヨンホ/金子由之/薄平広樹/西原康彰/原一登/坂川慶成/岡崎さつき/西岡未央/山下カオリ/鈴木麻美/角田萌果/花王おさむ/大鷹明良/三田和代

2017年10月5日(木)〜22日(日)
・会場=新国立劇場 中劇場
・一般前売=8月6日(日)開始
・料金=全席指定S席8,640円/A席6,480円/B席3,240円/Z席1,620円

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