大竹しのぶのブランチ再び フィリップ・ブリーン演出『欲望という名の電車』製作発表会 - 2017年11月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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『欲望という名の電車』会見 1 左から、鈴木杏、大竹しのぶ、北村一輝、藤岡正明

▲ 左から、鈴木杏、大竹しのぶ、北村一輝、藤岡正明

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大竹しのぶ主演×フィリップ・ブリーン演出により、テネシー・ウィリアムズの『欲望という名の電車』が、Bunkamuraシアターコクーンで12月より上演。本公演に向けて、製作発表会が行われた。

1947年のブロードウェイ初演から、世界各国で上演が重ねられる本作。同劇場では、2002年の蜷川幸雄演出版以来、実に15年ぶりの上演となる。演出には、2015年の『地獄のオルフェウス』でも大竹とタッグを組んだフィリップを迎える。また、ブランチの妹ステラの夫で、ブランチを追い詰めていくことになるスタンリーには、2年ぶりの舞台出演で、大竹とは初共演となる北村一輝。そして、妹ステラは、大竹と初舞台作『奇跡の人』(03年)以来、14年ぶりの共演となる鈴木杏が担う。さらに、ブランチに恋する素朴なミッチを演じる藤岡正明をはじめ、少路勇介、粟野史浩、明星真由美、上原奈美、深見由真、石賀和輝、真那胡敬二、西尾まりと、個性豊かなメンバーが顔をそろえる。

会見での主なコメントは以下の通り。

■フィリップ・ブリーン(演出)
再びシアターコクーンに呼んでいただき名誉に感じています。『地獄のオルフェウス』での経験は、僕にとって何物にも代えがたい素晴らしいもので、アーティスト・演出家としての仕事としての取り組み方だけでなく、人として成長させてもらった実りの多い体験でした。今回も、素晴らしいキャストに集まってもらえました。最も偉大なアメリカ戯曲といっていいこの作品でご一緒できること、それをシアターコクーンから発信できることをうれしく思います。
【作品の魅力とは】
本作の多くのプロダクションは、エリア・カザンの映画版、特にマーロン・ブランドの芝居に影響を受けているのではないかと思います。社会的背景をリアルに描いた作品ですが、読み直して気がついたのは、それだけではない表現的な言葉に溢れていることです。ト書きでも「ゴッホのような絵画のような」と書かれていたり、空の青色の描写についてもディティールが描かれていたり、そういった表現的な世界を舞台の上に乗せられたら。そして、その中で、幻想・ファンタジーとは何なのか? さらに、それに対するリアリティーや本質を考えていきたいと思います。それこそが、単なる家庭内の悲劇にとどまらない、大きな表現的なプロダクションになるのではと考えます。
【大竹ブランチの魅力】
『地獄のオルフェウス』での稽古では、彼女は常に全力・全身を傾けて芝居に臨んでくれました。それはすべての俳優ができることではありません。とてつもないエネルギーと力強さで、登場人物の感情とご自身を結びつけ、繊細さともろさと、はかなさも持ち合わせているのを拝見して、ブランチにはぴったりだと感じました。
【『欲望という名の電車』のタイトルに込められた思いは?】
もちろん欲望を扱っている作品ですが、それは「心が求める欲望」と「身体的・性的な欲望」であり、それとコインの表裏のように「死」が描かれます。そして、「欲望」が線路を走る電車として描かれるのは、線路を加速し、走り出したら止めることができないものとして表現されています。また、重要なのは、電車が一等車の特別な乗り物ではなく、ストリートカーのような、誰もが乗れるものであるのが大切な要素。こういった部分でも、タイトルにも戯曲のヒントや、重要な要素が織り込まれています。

■大竹しのぶ
15年前に蜷川さんとやって、「もう一度やろう」と約束して、企画は上がっていたけども、実現できずにいました。じゃあ誰と一緒につくれるのかと思っていたのですが、フィリップなら蜷川さんも「まぁ、いいんじゃない」って(笑)、言ってくれる気がします。
『地獄のオルフェウス』の時は、毎日楽しくて、稽古中や本番の時から、次回作も考えてくださいとお願いしたのを覚えています。それが『欲望という名の電車』で実現したのは、本当にうれしいです。
稽古は、今、戯曲解釈や翻訳の一言一言について話し合っていて、1日6〜7時間くらい続くのですが、私たちがいかに不勉強さを知りながらも、これが本当に楽しくて、「ほぉ!」「へぇ」「すごい!」と思う毎日で、もう1年くらい稽古したいくらい(笑)。有名な作品だけど、描きたかったものは、こういう世界だったんだというものが見せられるように頑張っていきたいと思います。
【再びブランチを演じるにあたって】
どんな芝居でも完成することはなく、千秋楽には「もう一度やりたい」と思うもの。たぶんそれはどこまでも思うんでしょう。15歳年をとって、「女であることが終わっていくこと」の怖さとか、「人に依存するもろさ」には、15年の理解力が増したと思います。
それに、プラスして言葉の一つ一つ、例えば、グレーブスという名前が出てきた後に、お墓(Grave)の話題が出てきたりとか、戯曲をどう理解するか掘り下げているので、今日より明日の方が、戯曲を理解できるようにしています。そうして、役者も演出家も、戯曲の中を旅するんだと感じています。なぜ、ブランチが歌を歌うのかとか、前回は感情でやっていたところもあったのですが、そこにきちんと定義付けしてくれるので、とっても豊かな気持ちで、みんなそれぞれ役にきちんと向き合っていける芝居になると思います。

■北村一輝
この素晴らしい戯曲と出会えてうれしく思っています。ただ、実は素晴らしさを分かっていなかっんだと痛感しています。稽古ではテーブルディスカッションがあって、一つ一つのセリフの意味や、何を描こうとしているのかを、一行ずつ見ているところで、こういう意味だから素晴らしい戯曲なんだと、今になって気付かされています。それを経て、今言えることは、数々の舞台があったけど、また違った新しい舞台が皆さんに届けられるのではと思っていて、新たな魅力あるスタンリー像をつくれたらと思います。期待してください。

■鈴木杏
27歳くらいの時に、蜷川さんに「杏ちゃんは、今の年くらいでステラをやったらいいと思うんだよなぁ」とぽろっと言われたことがあって、その時に初めてステラを意識したんですが、それがかなわなくなって、ステラとは、もう出会えないのかなと思っていたら、こんな形でまさか出会えるとは。この時点ですごくすごくラッキーだなと思っています。
今、フィリップさんとテーブルディスカッションで戯曲を読んでいるところで、それが毎日宝探しのようです。フィリプさんから「こんなところにコレがあるよ」と、素晴らしい宝をどんどん見つけてくださって、それを演じるのは、これからすごく大変かもしれないけど、豊かで贈り物のような毎日です。
15年前に、シアターコクーンでの初舞台で、大竹しのぶさんとご一緒して、そこから私の演劇人生が始まりました。その時はヘレン・ケラーの役で、大竹さんの目をしっかり見ることが許されずにいたのですが、今回はセリフを交わせるし、目を見ることもできます。その状況に、ドキドキしていて心震えるような時間です。ヘレン・ケラーの時は、身体にアザがたくさんできて、肉体がぶつかりあう日々だったけど、今回は姉妹としての心のぶつかり合いです。心にアザをつくりながら、……大きいのはやだけど(笑)、一瞬も逃すことなく日々を積み重ねていけたらと思います。

■藤岡正明
お話いただいた時に、そうそうたる人たちの中で、しのぶさんに恋する役なんて大丈夫かな? と、正直、最初はビクビク、オロオロしていたんです。でも稽古では、何よりフィリプの話が面白いんです。戯曲の解釈の面白さもあるけど、ユーモアを挟んでくれて、和ませて、いい空気をつくってくれる演出家なんだなと、すでにとても居心地がいい状態になっています。ただ、フィリプの解釈の深さが自分自身に返ってきた時に、自分はなんてホンを読めていなかったのかと痛感しました。これからの稽古でより深めて、居心地がいいだけでなく、緊張感をもって本番を迎えたいですね。
個人的なことですが、役は187cm・93kgの男性なのですが、僕は171cm・64kg。今日をもちまして、これから1カ月後の本番に向けて僕「太ります宣言」をします(笑)。1カ月でどれだけ太れるか、影の楽しみも注目してください(笑)。

この記事の写真

  • 『欲望という名の電車』会見 1 左から、鈴木杏、大竹しのぶ、北村一輝、藤岡正明
  • 『欲望という名の電車』会見 2 左から、フィリップ・ブリーン、北村一輝、大竹しのぶ、鈴木杏、藤岡正明
  • 『欲望という名の電車』会見 3 フィリップ・ブリーン
  • 『欲望という名の電車』会見 4 大竹しのぶ
  • 『欲望という名の電車』会見 4 北村一輝
  • 『欲望という名の電車』会見 6 鈴木杏
  • 『欲望という名の電車』会見 7 藤岡正明

インフォメーション

『欲望という名の電車』

【スタッフ】作=テネシー・ウィリアムズ 翻訳=小田島恒志 演出=フィリップ・ブリーン
【キャスト】大竹しのぶ/北村一輝/鈴木 杏/藤岡正明/少路勇介/粟野史浩/明星真由美/上原奈美/深見由真/石賀和輝/真那胡敬二/西尾まり

■東京公演
2017年12月8日(金)〜28日(木)
・会場=Bunkamura シアターコクーン
・チケット発売中
・料金=全席指定S席10,500円/A席8,500円/コクーンシート5,500円

■大阪公演
2018年1月6日(土)〜8日(月)
・会場=森ノ宮ピロティホール
・チケット発売中
・料金=全席指定11,000円

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