尾上松也らが意気込み語る 『新春浅草歌舞伎』製作発表会 - 2017年12月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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『新春浅草歌舞伎』会見 1 後列左から、中村梅丸、中村米吉、坂東新悟、中村種之助、中村隼人、前列左から、坂東巳之助、中村歌昇、尾上松也、中村錦之助

▲ 後列左から、中村梅丸、中村米吉、坂東新悟、中村種之助、中村隼人、前列左から、坂東巳之助、中村歌昇、尾上松也、中村錦之助

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若手歌舞伎俳優たちによる『新春浅草歌舞伎』が、今年も浅草公会堂で開催。本公演の製作発表会が都内で行われ、尾上松也、中村歌昇、坂東巳之助、坂東新悟、中村種之助、中村米吉、中村隼人、中村梅丸、中村錦之助が登壇した。

若手たちの登竜門として知られる本公演。松也は「若手たちが、必死に、無我夢中に芸に対して向かっていく姿は、この年代、その時にしか見られないものがある。いわゆる大役のほとんどが、初役であるというのは、『新春浅草歌舞伎』でしか観られない」とその魅力を述べたが、「ただ僕たちは、まだまだ修行の身。とにかく必死に、先輩方がご指導くださったことを具現化するのが一番大変」と姿勢を正す。また「自分たちの責任公演ということも大きい。多くの公演が、まだまだ先輩方の胸を借り肩を借りる場。ここでは、各々が責任をもって勤めないといけないし、お客さまにお金を払っていただくことのありがたさを実感する。芸とは違う部分ですが、非常に勉強になる」と気を引き締めた。

初年度を振り返ると「幕が開くまで、誰一人客席にいないんじゃないかと、不安に駆られていましたから。舞台の幕が開いて、満員のお客さまに迎えられたのは、何とも言えませんでした」と感慨深い表情をのぞかせる。そして、「僕たちは先輩方のおかげで、(観客に迎えられるのは)当たり前のように過ごしてきましたが、お客さんに来ていただけることが、どれだけありがたいことかを実感して、涙したメンバーもいました。その気持は今でも忘れないようにしようと思います」と真摯に語った。

今回で世代交代をして4回目。松也は「今は修行する場所のよう」と話し、「歌舞伎座とは大きさから何から違いますし、歌舞伎座と同じようにできないこともあるけど、逆にそれに愛着が湧く。浅草ならどうやるか? 工夫しながらやるのも楽しみですし、お客さまと距離が近いので迫力や魅力をより近くで観ていただける」と本公演ならではの思い入れに触れた。

一方、錦之助は「『新春浅草歌舞伎』は、若手にちょうどいい大きさの小屋。小屋の大きさに増して、芸も大きくなっていくものですから、まず浅草でお客さんを魅了できるようになって、次は新橋演舞場、やがては歌舞伎座で勤めてほしい」とエールを贈った。

そのほか、公演への意気込み、初役へのコメントは以下の通り。

■尾上松也
私どもの世代で4年目となります。あらためて『新春浅草歌舞伎』をさせてもらえるのは、先輩方のご苦労の賜物だとあらためて実感しました。それを受けて、また公演ができるのはありがたいの言葉に尽きます。初年度は、ただがむしゃらに嵐のように過ぎましたが、この公演は、一つの大きな目標、1年の大きな糧となっています。今回は、初年度のメンバーが戻ってきてくれて、非常に華やかになるのでないでしょうか。まだまだ未熟ではございますが、錦之助のお兄さんのお力もお借りして、いい舞台を勤めたいと思います。
「御浜御殿綱豊卿」は、勘解由(かげゆ)との奥深いセリフのやり取り、助右衛門との探り合いが見どころ。自分の持っている力を存分に出して、巳之助君とも真っ向勝負でぶつかり合いたいです。浮き沈みのある気持ちの流れをきっちりとお見せして、思いが伝わるように勤めたいと思います。
「引窓」は、義理と人情、母子の愛の物語。人間の本心、人間らしい心情を繊細に描いているので、それぞれの登場人物を浮き彫りにするのが大事。自分も含めてしっかりとご指導のお兄さんのお話をよく聞いて勤めたいと思います。

■中村歌昇
3年ぶりに帰って来れたことを素直に喜んでいます。松也兄さんをはじめとするメンバーが、その間に土台をつくってくれました。今回は、その土台の上に乗せてもらう形になりますが、一同でいい舞台をつくれたらと思います。また『新春浅草歌舞伎』は、浅草の方々のお力添えで成り立っています。協力し合いながら浅草の土地で盛り上げたいと思います。
「引窓」は播磨屋に大切な作品の一つ。人情、義理、親子の情愛を、優しく繊細に描いて、心がホッとするような、涙するような、切ないけども温かいお話です。南方十次兵衛は、いち商人から父の跡を継いで武士となる役で、その喜びもあるし、長五郎が現れてからの心理が変わっていく過程も魅力的です。

■坂東巳之助
毎年一緒にやっていたメンバーに加え、最初の年にやっていたみんなが戻って来て、このみんなで『新春浅草歌舞伎』をつくることを楽しみにしています。舞台の上では、仲良しこよしだけではなく、互いに切磋琢磨し合うものですが、新年のにぎやかな浅草の街を楽しむような時間もあったらいいなと思います。
「御浜御殿綱豊卿」は、動きの少ない演目で、気持ちをぶつけ合う会話劇。ある感情の動きの面白さを、きちんと理解しないと難しい芝居なので、感じるままでなく、しっかりとつくり込みたいと思います。「京人形」は、父もたびたび勤めていた舞踊です。楽しい踊りなので、舞踊の際には毎度毎度言っていますが、何も考えずに楽しんでもらって、お正月らしい華やかな気持ちで帰って、浅草の街に出てもらえたらと思います。
また、そのほかの二役も初役。仲間たちの支えに力になってこその『新春浅草歌舞伎』ですので、大役ない役もすべて合わせて、自分の力を出し切りたいと思います。

■坂東新悟
2年ぶりに出演させていただきます。『新春浅草歌舞伎』は先輩方が大切にされてきた公演です。その思いを無駄にしないように、一生懸命勤めさせていただきます。それに、浅草の街の方々の協力が非常に大きい公演ですので、その期待を裏切らないように、しっかりとお芝居で街に還元できるように、街全体を盛り上げるつもりで一生懸命精を出したいと思います。
「御浜御殿綱豊卿」江島は、仕事ができるだけでなく、情もあり、人間味もあり、お茶目でもあり、難しい役どころ。舞台をしっかりと締めることができるように、精いっぱい舞台で存在感を出せたら。『京人形』(京人形の精)では、女性らしい動きもあるし、甚五郎の心を反映した男っぽい動きもあるので、変化を楽しんでもらって、お客さまに明るい気持ちで帰っていただきたいと思います。

■中村種之助
久々に『新春浅草歌舞伎』に、この皆さんと出させていただきますこと、本当にありがたく思います。前回は、ちょうど世代交代の時でして、みんなで切磋琢磨して頑張りましたが、今回は自分が出ていない間に、自分たちのものにした松也兄さんをはじめ、皆さんの中に戻ることになるので、新たに挑戦する気持ちでひと月を臨みます。
義経は「鳥居前」のお芝居の心を現す役ですので、大事に勤めます。魂の宿る人形の『京人形』に対して、糸に操られる人形の『操り三番叟』という趣向の違いを感じてもらえるように、そして、日本舞踊のおおらかさを出して、正月らしく華やかに勤めたいと思います。また、『京人形』のおとくは、歌舞伎作品の中でも一二を争う心の大きい女性(笑)、慣れない女形ですがしっかり勤めます。

■中村米吉
新悟の兄さんと同じく、2年ぶりに出させていただくことを本当にうれしく思います。みんな大きなお役に挑戦させていただきます。先輩方の教えを大切に勤めることはもちろん、この機会を楽しみながらひと月を終えられたらと思います。
「御浜御殿綱豊卿」は新歌舞伎と呼ばれ、いわゆる古典と違った芝居。兄さんに愛されるお喜世を勤められたらと思います。「引窓」は播磨屋一門にとっては大切なお芝居です。演じるお早は、歌昇兄さんの奥さんですので、もともと遊女だったという色気を忘れないように、兄さんを支えられるような奥さんが演じられたらと思います。

■中村隼人
そうそうたる先輩方が立ってきた浅草の舞台に、毎年勤めれられることは本当にうれしく思います。浅草の街の新年は、より活気づく熱い街になります。その熱さに負けないように、われわれ若手歌舞伎俳優は一致団結して、舞台を勤めます。
「鳥居前」の佐藤忠信、荒事の大役を勤めさせていただきます。おおらかさ、勢い、太さ、丸さが必要な役どころ。自分自身憧れていた荒事という新しい境地です。挑戦する気持ちとリスペクトを忘れずに勤めます。また、第二部では皆さんの舞台に華を添えられるようにしたいと思います。

■中村梅丸
6年連続で出させていただきまして、今年からはポスターに参加させていただいたり、お年玉にも出させていただいたりと、いろいろ勉強させてもらっています。今回の3つのお役は、すべてここにいらっしゃる先輩方もなさっていますので、ひと月の間に教わりながら、少しでも成長できる実りのあるひと月にしたいと思います。
『義経千本桜』は、古典味溢れる歌舞伎の大作。「鳥居前」での静御前は先輩方も難しいとおっしゃる役ですので、しっかりと勤めたいと思います。

■中村錦之助
3年連続で参加ですが、私もまだ20代のつもりで勤めたいと思います(笑)。歌舞伎座、国立劇場、新橋演舞場に負けないくらい、浅草の活気のある芝居を若手たちでつくります。今回の演目は、将来若手が自分の本役となる役です。先輩方は、自分たちの教わった歌舞伎の芸を後進に伝えるため、命懸けでご指導してくださいます。みんなも自分たちが後進に伝えられるように精進して、将来的には、お正月にはそれぞれが座頭になれるように修行していただきたい。そのお力添えできるように精いっぱい勤めます。

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  • 『新春浅草歌舞伎』会見 1 後列左から、中村梅丸、中村米吉、坂東新悟、中村種之助、中村隼人、前列左から、坂東巳之助、中村歌昇、尾上松也、中村錦之助
  • 『新春浅草歌舞伎』会見 2 尾上松也
  • 『新春浅草歌舞伎』会見 3 中村歌昇
  • 『新春浅草歌舞伎』会見 4 坂東巳之助
  • 『新春浅草歌舞伎』会見 5 坂東新悟
  • 『新春浅草歌舞伎』会見 6 中村種之助
  • 『新春浅草歌舞伎』会見 7 中村米吉
  • 『新春浅草歌舞伎』会見 8 中村隼人
  • 『新春浅草歌舞伎』会見 9 中村梅丸
  • 『新春浅草歌舞伎』会見 10 中村錦之助
  • 『新春浅草歌舞伎』会見 11 後列左から、中村梅丸、中村米吉、坂東新悟、中村種之助、中村隼人、前列左から、坂東巳之助、中村歌昇、尾上松也、中村錦之助

インフォメーション

『新春浅草歌舞伎』

【キャスト】尾上松也/中村歌昇/坂東巳之助/坂東新悟/中村種之助/中村米吉/中村梅丸/中村隼人/中村錦之助

2018年1月2日(火)〜26日(金)
・会場=浅草公会堂
・チケット発売中
・料金=全席指定1等席(1階席、2階席ぬ列まで)9,000円/2等席(2階席ね・の列)6,000円/3等席(3階席)3,000円

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