大賞・宮沢りえ「これからもひたむきに学びたい」 「第25回読売演劇大賞」贈賞式 - 2018年3月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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「第25回読売演劇大賞」贈賞式 1 左から、シライケイタ、土岐研一、野村萬斎、仲代達矢、宮沢りえ、橋爪功、永井愛、堀義貴

▲ 左から、シライケイタ、土岐研一、野村萬斎、仲代達矢、宮沢りえ、橋爪功、永井愛、堀義貴

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「第25回読売演劇大賞」贈賞式 18 宮沢りえ

▲ 宮沢りえ

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読売新聞社が主催する「第24回読売演劇大賞」の贈賞式が、都内で行われた。

受賞者の主なコメントは以下の通り(登壇順)。

【杉村春子賞(新人賞)】
■シライケイタ(『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』『袴垂れはどこだ』の演出)
普段、100人足らずの劇場で活動している身としては、お客さんが少なくても真摯に作品をつくり続けていれば、このように評価していただける。そして、このようなおじさんでも新人賞をいただけるのだと(笑)、とても大きな勇気をいただきました。
演出家は絶対に一人では仕事ができません。全員でいただいた賞だと思っています。二つの作品は、奇しくも“革命”というテーマで共通しています。世の中の在り方に疑問を持った若者が、理想の世界をつくろうと立ち上がった話です。その途中、彼らは殺人を行います。僕は、この作品の殺人を決して肯定はしません。理想実現のための暴力、価値観の違う人たちに行う殺人、これを僕は否定します。けれども、彼らが立ち上がったこと、蜂起した時点での純粋な思いは、偽らざる真実だと思っています。
僕らの稽古場は、彼らを理解しようとする稽古場でした。僕の作品の中でも、とりわけ激しく俳優さんたちとぶつかり合いました。幕が上がらないかも、と何度も絶望しかけました。でも、その都度、乗り越えたのは“対話の力”でした。他者とつながり合い、理解し、他者の目を持とうと努力する行為。そして、その行為こそが、いまだ実現していない、彼らの目指した理想を実現するための唯一の手段ではないかと思いながら、僕は武力と暴力を否定し続けます。他者の目を持つ努力を続けます。つまり、演劇をこれからも続けていこうと思います。そのことこそが、僕がこの二つを演出した意味だし、賞をいただいた意味があると思います。

【選考委員特別賞】
■『ビリー・エリオット〜リトル・ダンサー〜』
堀義貴(ホリプロ)
2001年に映画に感動して、その後、エルトン・ジョンが映画をミュージカル化しようとしているという、たった数行の記事からすぐに動き出しました。05年に初めてロンドンで観た時は、あまりにもすごくて、悔しくて、腹が立つほどすごい舞台だと思いました。一度は断られてから、めぐりめぐって公演が決まったのですが、予想していなかったほどにハードな舞台でした。まず子供全員をオーディションで選ぶのに2年をかけましたが、一定の年齢を越えたらできないし、声変わりをしてはいけないという条件。そんなオーディションを経て、大人のキャストも決まり公演が始まりました。4カ月間で16万人という数字を掲げていたものの、当初はまったくチケットが動かず、何億もの赤字を覚悟しましたが、お客さんはちゃんと評価してくれました。日本ではできないと思っていたことをやることができ、こうして評価してくれたことをとてもうれしく、誇らしく思います。
この子供たちに会えたのは奇跡ですし、16万人も動員したのに、スタッフたちは再演しましょうと誰も言わないんです(会場笑)。もう一度、これをゼロからやるっていうのは、しんどいと思っていたんですが、ぜひ近い機会にもう一度『ビリー・エリオット』を再演したいと思います。
加藤航世
こんな素晴らしい賞をいただけたのは、スタッフの方々や共演者の方々と頑張ってきたからで、すごくうれしいです。ありがとうございました。
木村咲哉
こんな素晴らしい賞をいただけたのは、今まで教えてくださった、バレエやタップのコーチ、いろいろな先生やスタッフさん、いろいろな人に助けられたからだと思います。ありがとうございます。
前田晴翔
僕は声変わりをしたし、身長も10cm以上伸びて、今、ビリーの役をやりたいと思っても、とてもできません。あの時に、ビリー・エリオットという役を演じられたことは、本当に奇跡だなと実感しています。ありがとうございます。
山城力
今日は本当にありがとうございます。僕は最近、成長期で、足のサイズがどんどん大きくなってきていて、今回の賞のお祝いに、タップシューズとジャズシューズとバレエシューズを、いつもよりいい種類のやつを買ってもらいました(笑)。これからもビリーのように本物の表現者になれるように頑張っていきます。

【最優秀演出家賞】
■永井愛
(『ザ・空気』の演出)
ホンが遅れ、現場を大変な混乱に落とし入れ、それでも頑張ってくれた出演者・スタッフのおかげで、こういうことになりました。成果を私が独り占めして本当に申し訳なく思います。あらためてお礼を申し上げます。この作品の原動力となった人たち、政治権力・メディア上部からの圧力に抗って、知らせるべきことを知らせようと励んでいる、報道関係者の方々、決して多数と言えないこの方々の活動・存在が、この作品を最後まで支えてくれました。それから、この作品を観に来て、現場で支えてくれた観客の皆さん、選考委員の皆さん、次回作への大変な励みになりました。ありがとうございました。

【最優秀スタッフ賞】
■土岐研一(『天の敵』『散歩する侵略者』の美術)
大変光栄な反面、責任を感じておりまして、この受賞に恥じないように、これからもより一層の努力を重ねていきたいと思います。これまで自分にご指導くださった方々、作品をつくってきた方たち、その人の持っている、演劇に対する情熱と、ものをつくることに対する責任感がなければ、今の自分はなかったと思っています。これからも気持ちを新たにして、そういった方たちに負けないくらいの情熱と責任と、思い切った挑戦をこれからも続けていきたいと思います。最後に、東京で誰も知らないころから、自分にホームグラウンドという場所を与えてくれた「イキウメ」という団体に、この場を借りてお礼を言いたいと思います。みんなありがとう! これからもよろしく!

【最優秀男優賞】
■橋爪功(『謎の変奏曲』の演技)
今日は、年甲斐もなく感動しております。最近、いろいろな方と挨拶して、お名前を聞いてから、振り向いて3歩歩いたらすぐに忘れてしまうんです(会場笑)。いろいろなことを覚えなくなってきて、本来ならばここで、何人ものお名前を挙げてお礼を申し上げたいんですが、ほどんとの方の名前が出て来なくて困っているところです(会場笑)。忘れてならないのは、演出家の森新太郎と共演の井上芳雄君のお二人。そこまでは覚えています(会場笑)。森新太郎の演出に鞭打たれて、私のベラベラ喋るセリフを覚えることができましたし、井上君は、本当に真摯で情熱的で、最後まで私をカバーしてくれたおかげで、舞台で演じきることができました、本当にお二人には感謝しています。
この芝居は、本当を言うと二人芝居であまり乗り気じゃなかったんです(会場笑)。ただ、家内からは、3年くらい前から「あんたはこの芝居をやれ」と言われていまして。こんな賞までいただいて、最後までケツを引っ叩いてくれた、家内にお礼をいいます。ありがとう!

【最優秀作品賞】
■『子午線の祀り』
野村萬斎
世田谷パブリックシアター20周年ということで精力的にプログラムを組んできて、その中のメインといえる作品が受賞できたことに感謝申し上げます。ギリシャ悲劇とシェイクスピアを想起しながら書かれたであろう源平合戦の物語でありますが、アテネでギリシャ悲劇をやったり、ロンドンで『ハムレット』をやったり、そんないろいろな経験が活かせたと思います。源平は能狂言の真骨頂の一つのというとことで、全権を任せていただき、スタッフ・キャストが一丸となった作品が、作品賞をいただける。みんなで分かち合えるのが晴れがましいことです。
美術や照明では“光と時代の波をつくる”という無茶な注文を受けてくれましたし、何より「群読」という特殊な技術を、素晴らしく飛躍させてくれたキャストに御礼を申し上げたい。とにかく全部が盛り上がったことで作品賞をいただけたのが、本当にありがたく思います。世田谷パブリックシアターという公共劇場は、民間とは違う立ち位置ですが、何卒これからもご支援いただきたいと思います。

【芸術栄誉賞】
■仲代達矢
先ほど、橋爪さんは、年寄りじみたことを言っておりましたけども、私は本当の年寄りの役者です(会場笑)。今日は栄えある賞をいただけて本当に感激しております。70年近い俳優人生です。今までどうにか現役で来られたのは、いろいろな素晴らしい演出家・共演者たちとの出会いのおかげです。私事ですが、40数年前に、亡くなった女房と無名塾をつくり、若者たちと芝居をしてきました。こんなことをあまり稽古場では言わないけど、みんなの力が押してくれたことだと、次世代の若者に本当に感謝しています。85歳を過ぎて、もうそろそろかと思っていましたが、この素晴らしい賞をいただきましたし、もう少し頑張っていきたいと思います。

【大賞・最優秀女優賞】
■宮沢りえ(『足跡姫〜時代錯誤冬幽霊〜』『クヒオ大佐の妻』『ワーニャ伯父さん』の演技)
一番最初に受賞(読売演劇大賞 女優賞)した野田秀樹さんの『透明人間の蒸気』から今まで、登るのに爪が剥がれるんじゃないかというくらい、高過ぎるハードルを与えてくださったプロデューサー、ダメ出しばかりで、ちっとも褒めてくれない演出家の方たちのおかげで(会場笑)、私は今ここにいるんだと思います。
大賞を受賞された先輩たちの名前(過去、大賞を受賞した女優は杉村春子、黒柳徹子、森光子、大竹しのぶ)を聞いて、膝が震えました、この賞の重さと、歴史を感じて、これを頂くのは本当に覚悟が必要だなと思います。たくさんの素晴らしい言葉をいただいてきましたが、その中に蜷川(幸雄)さんがある役者さんに「自分をもっと疑えよ! 何で自分をもっと疑わないんだ!」と叱咤されていた、その言葉が、それがすごく自分に響いたんです。役と向かい合って、人間を生きるにはこれでいいのか? この自分でいいのか? と自分を疑い続けるのは、誠実さにもつながるし、私のこれからもそれをテーマに、表現者としてひたむきに学びたいと思います。

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  • 「第25回読売演劇大賞」贈賞式 1 左から、シライケイタ、土岐研一、野村萬斎、仲代達矢、宮沢りえ、橋爪功、永井愛、堀義貴
  • 「第25回読売演劇大賞」贈賞式 2 シライケイタ
  • 「第25回読売演劇大賞」贈賞式 3 堀義貴
  • 「第25回読売演劇大賞」贈賞式 4 加藤航世
  • 「第25回読売演劇大賞」贈賞式 5 木村咲哉
  • 「第25回読売演劇大賞」贈賞式 6 前田晴翔
  • 「第25回読売演劇大賞」贈賞式 7 山城力
  • 「第25回読売演劇大賞」贈賞式 8 左から、小笠原響、小山ゆうな、日澤雄介、和田憲明
  • 「第25回読売演劇大賞」贈賞式 9 永井愛
  • 「第25回読売演劇大賞」贈賞式 10 左から、鎌田朋子、鈴木めぐみ、乘峯雅寛、前田文子
  • 「第25回読売演劇大賞」贈賞式 11 土岐研一
  • 「第25回読売演劇大賞」贈賞式 12 左から、市村正親、田中章子(佐川和正 代理)、佐藤誓、中村雀右衛門
  • 「第25回読売演劇大賞」贈賞式 13 橋爪功
  • 「第25回読売演劇大賞」贈賞式 14 左から、永井愛、和田憲明、名取敏行
  • 「第25回読売演劇大賞」贈賞式 15 野村萬斎
  • 「第25回読売演劇大賞」贈賞式 16 仲代達矢
  • 「第25回読売演劇大賞」贈賞式 17 左から、新橋耐子、藤井由紀、森尾舞、若村麻由美
  • 「第25回読売演劇大賞」贈賞式 18 宮沢りえ
  • 「第25回読売演劇大賞」贈賞式 19

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