スーパー歌舞伎II『ワンピース』大阪に向け市川猿之助らが意気込み - 2018年3月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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『ワンピース』大阪取材会 1 左から、中村隼人、尾上右近、市川猿之助、坂東巳之助、坂東新悟

▲ 左から、中村隼人、尾上右近、市川猿之助、坂東巳之助、坂東新悟

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スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』大阪松竹座の4月1日(日)の開幕に向け、市川猿之助、坂東巳之助、尾上右近、坂東新悟、中村隼人が意気込みを語った。

今回は、ルフィ役が猿之助&右近のWキャストになるなど、4パターンの配役での公演。東京公演で負った猿之助のケガの状況を含めての判断とのことだが、猿之助は「右近君たちが代役をやってくれたあの2カ月で、立派に本役としていけると思った」と若手たちへの信頼がうかがえる。作品のブラッシュアップについては、猿之助は「時間を短くする」と即答。「刈り込みですね。『勧進帳』などのように、絶対にいじれない、“究極の形”にしたい」とやる気を見せた。

グループによって演出も変わるとのこと。猿之助は「僕の時は、展示された国宝の仏像を見るつもりで来て(笑)。動くルフィを見たかったら昼の部で(笑)」とジョークを飛ばすと、メンバーたちも「すごいね。国宝になった(笑)。タンバリンと一緒にお数珠も売らないと(笑)」(右近)、「まさに“ワンピース(ひとつなぎの大秘宝)”として出ると(笑)」(巳之助)と笑い合っていた。

そして、猿之助は「常々思っているのは、作品で人を感動させるということ」と語る。「歌舞伎自体が生まれた時代は、作品性が中心だったと思うんですが、それがだんだんスター性で保つようになってきた。それも大事だけど、そこに傾き過ぎてる」と分析。「猿翁の伯父は『作品を残せ』とよく言っていた。そうすれば自分の身が滅んでも、名前は後世に残ると。『ワンピース』は作品に感動してもらえたのが良かった。僕の手を離れても、作品として成立していたということ、僕が出てなくても、あの作品を見れば猿之助の色が自分でも分かるくらいに出ていた」と手応えをのぞかせる。

観客に向けても「うれしいかったのは、僕が居ようが居なかろうが、お客さんが劇場へ足を運んでくれたこと。僕にとってもみんなにとっても一番力になった。作品を愛してくれたということですから」と喜んでいた。

一方、猿之助の休演期間を勤めた4人は、公演を回想。「本興行を兄さんから預かったと思いました。特別なことを何もしないというのが大切だと僕は理解した」(巳之助)、「芯の役は経験がなかったので、計り知れなかった。1回1回を全力投球やろうと思った」(右近)、「衝撃が大きかったけど、主要メンバーである以上は、僕たちがしっかりと、いつもやっていることをやるというのが大事だと考えた」(隼人)、「若手とか後輩として引くのではなく、自分がこの芝居を面白くしないといけないという覚悟、存在感を出さないといけないという気持ち。ただ日々ガムシャラだった」(新悟)とそれぞれに振り返る。公演が終えた時にも話題が及ぶと、右近は「“無”でした(笑)」と一言。「終わったことも、これからのことも、いろいろと感じすぎて、最終的には1回転して“無”でした(笑)」と述べた。

イワンコフ役には浅野和之に加え、下村青が新たに参加。この配役についても、猿之助は「ボン・クレーは、みっくん(巳之助)の代わりはまだ見つからないけど、その人しか出来ない役ではダメ。後世に残らないから」と、先述の“作品を残す”という思いにもつながる。「イワンコフも浅野さん以外には考えられない役だったけど、ほかの人でぜひやりたかった。それに、ミュージカル仕立てにしたかった」とその意図を明かす。

下村バージョンのオリジナル楽曲も用意されているそうで、巳之助は「全然違うテイストになったので。また一つ面白くなりそう。ニューカマーランドでのボン・クレーとのやり取りの曲のアレンジになっていたのがすてき。あと、歌詞がすごい(笑)」と話すと、猿之助も「すごかったね。『シカゴ』を見てるかと思ったくらい(笑)。きわどいね」とうなずく。

右近は「予想を良い意味で裏切られる。浅野さんのリズムの芝居に慣れているので、そこにかなりのスパイスを効かせてもらって、僕らも新鮮な気持ちにさせてもらえる。歌うパートの後にこっちが喋るのが恥ずかしくなるくらい世界観としては持ってかれる(笑)」と新たなイワンコフも期待できそうだ。

猿之助のケガの経過について問われると「完治はまだしてないけど、痛みはなく、命に関わる状態ではないし、お医者さんも普通に動いていいと言っている。無理はしていない」と話す。また「動かなかった指が、お金数えようとしたら動いた(笑)」とエピソードで笑わせつつも、「先生にも笑い話で話したら、人間必要になったら動くもんだって(笑)。まあ、人間、ケガして当たり前です。スーパーマンではないしね、淡々としてますよ」と冷静に語る。ケガの経験にも「“ケガ人”ということを味わえた。ドラマではお医者さんの役をやるので、めぐりめぐって役者はどこで糧になるか分からないね」と貪欲だ。

「動かないからこそのルフィの魅力は?」という質問には「歌舞伎の至芸に通じるところ」と答えた猿之助。「若い時は動き過ぎてしまうけど、動かないルフィが、実は動いていると見せたい。心が動くというね。これが本当に歌舞伎になるには、70〜80歳になってルフィをやることだね。気持ち悪いだろうね(笑)」と笑いながらも、「ゆくゆくは、みっくんとか、みんなが口伝を残せるくらいにしてほしいね。(年寄りの芝居で)『今、澤瀉屋がやってるやり方は、手をケガしたからだよ』ってね(笑)」と期待を寄せた。

そのほか、Wキャストで演じられるサディちゃん、マルコについて、右近は「新悟さんのサディちゃんには体型や声で勝てないところはあるけど、動きで艶やかさ出したり、足りない部分を違う形で補いたい。マルコも特性を生かして、僕なりの見せ方を出したい」と気を引き締める。対して、新悟は「サディちゃんでは、右近君の動きのキレは遠く及ばない。同じようにやるばかりではなく、自分なりのサディちゃんをつくっていきたい」と、隼人は「マルコの役の特徴や背景、想いをいかに自分の体で体現できるか。やっぱり白ひげの右腕ですからね。年上の先輩も引っ張っていけるように演じます」とそれぞれに気持ちを新たにする。

初演から続き、ゾロ、ボン・クレー、スクアードを勤める巳之助は「僕も1回くらい外から観てみたい。ずっと舞台に出ているので、部分的にも見ることができないんです。(演じられる役者を)募集中です(笑)」とコメント。「自分の中での型とかはその都度変わるけど、新たなことを見つけるためにも、客観的に見られる時間があれば」と意欲的に述べた。

最後に、観客に向けて役者たちからメッセージ。猿之助は「見出しは『ワンピース歌舞伎は昼の部が面白い』で(笑)」と笑いを誘う。4人はそれぞれに「やっぱり松竹座は、ギュッとした空間が魅力。ぜひとも、まだ観たことのない方が興奮していくさま、あの初演の時の興奮みたいなものをまた味わえたらうれしい」(巳之助)、「言わせていただきすと、『昼の部の方が良いよ』と(笑)。Wキャストでご一緒できるのは本当にうれしく思います。マルコもサディちゃんも、バリエーションを楽しんで、たくさんの方に観に来ていただきたい」(右近)、「新悟のサディちゃんもいいなと思っていただけるようにしたいですし、ぎゅっとした空間を楽しんでほしい。くれぐれも今回は誰もケガのないように、最後まで勤めます」(新悟)、「たぶん、前に大阪で観た方にはまったく別ものになっていると思います。全バージョン見てもらって皆さんに評価していただけたら(笑)。松竹座でしかできないものをつくり上げたい」(隼人)と語り会見を締めくくった。

この記事の写真

  • 『ワンピース』大阪取材会 1 左から、中村隼人、尾上右近、市川猿之助、坂東巳之助、坂東新悟
  • 『ワンピース』大阪取材会 2 市川猿之助
  • 『ワンピース』大阪取材会 3 坂東巳之助
  • 『ワンピース』大阪取材会 4 尾上右近
  • 『ワンピース』大阪取材会 5 坂東新悟
  • 『ワンピース』大阪取材会 6 中村隼人
  • 『ワンピース』大阪取材会 7 左から、中村隼人、尾上右近、市川猿之助、坂東巳之助、坂東新悟
  • 『ワンピース』大阪取材会 8 左から、中村隼人、尾上右近、市川猿之助、坂東巳之助、坂東新悟

インフォメーション

スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』

2018年4月1日(日)〜25日(水)
・会場=大阪松竹座
・料金=全席指定 一等席18,000円/二等席10,000円/三等席6,500円

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