「知らざぁ言って聞かせやしょう……」“究極の二刀流”の菊五郎を見逃すな! 「團菊祭五月大歌舞伎」取材会 - 2018年4月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
サイト内検索
すべて|
公演名|
人名・劇団名|
劇場|
演劇ニュース
様々な条件で検索
こだわり検索
注目キーワード

演劇ニュース

このエントリーをはてなブックマークに追加
ニュースを購読する
「團菊祭五月大歌舞伎」取材会 1 尾上菊五郎

▲ 尾上菊五郎

画像を拡大

「團菊祭五月大歌舞伎」取材会 2 尾上菊五郎

▲ 尾上菊五郎

画像を拡大

このほかの写真も見る

今年の團菊祭は“白浪男”! 5月2日(水)に初日を迎える「團菊祭五月大歌舞伎」にて、尾上菊五郎が『弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)』の“弁天小僧菊之助”を約5年ぶりに勤める。歌舞伎座新開場のこけら落とし(2013年4月)以来となる音羽屋のお家芸。上演に先駆けて、都内で尾上菊五郎の合同取材会が行われた。

『弁天娘女男白浪』は盗賊をモデルにした“白浪物”の代表作。かの有名な「知らざぁ言って聞かせやしょう……」などの七五調のセリフに彩られた世話物の人気演目だ。今回、本作を上演しようと思った経緯について、「これだけの俳優がそろった上に、(市川)左團次さんのようにずっと一緒にこの作品をやってくださる方もいる。(尾上)松緑も菊之助もそろったので、この辺りで一回やりたいと思っていた」と良い機会が巡ってきたようだ。

新開場以前の歌舞伎座で本作の通し狂言を上演した際(08年5月)の思い出を菊五郎が語った。「ちょうど稲瀬川で五人男が勢ぞろいする場がある(稲瀬川勢揃の場)。その時、僕が『あと十年後くらいに(この作品を)やる時、誰も抜けてないだろうな』と言ったら、『そんなことないよ』と言った夏雄ちゃん(十二世市川團十郎)が一番先に逝っちゃって、それから寿(十世坂東三津五郎)が逝っちゃって。非常に寂しい思いをした」当時の團十郎の役・日本駄右衛門は今回、その血を継ぐ市川海老蔵が勤める。「海老蔵君の日本駄右衛門は初めて。とても楽しみにしている」と菊五郎は笑顔で述べた。十二世團十郎五年祭でもある本團菊祭において、縁を感じる粋な配役だ。

菊五郎の勤める弁天小僧菊之助は16、7歳の設定。華やかで若々しく、非常に体力のいる役どころ。“今はやりの、究極の二刀流”と自身が称するこの役は、立役の場面も女方のそれも全てが見せ場。〈浜松屋店先の場〉での美しい娘から男への変貌も見どころの一つである。黒い友禅染の着物を片肌脱ぎ、赤いじゅばん、桜の刺青の目もあやな色彩美が楽しめる一幕。「弁天の姿が似合うように」と減量にも取り組んでおり、既に5kg体重を落としたと言う。

初出演が22歳の時だというから、実に50年以上、弁天小僧を勤めていることになる菊五郎。「若い頃は、何が何だか分からなかった。父がやっていた弁天小僧を観て、自分もやりたいなと思っていた」と語る彼が七代目尾上菊五郎を襲名したのもこの弁天小僧だった。「襲名の時もそうですし、各地の劇場で節目節目にやらせていただいている。何回やったかは数えてはいないが、その都度新鮮な気持ちで臨んでいる」と思い入れの深い役。「(演じるにあたり)怖いもの知らずの時も、悩んだ時もあった。22歳で始めて、30代までは勢い。40代が転機で、“やる”から“見せる”に変わった。若い頃は弁天をやれるだけでうれしかったが、お客さんは喜んでいるのか、芝居が通じているのか、考えるようになった」と回想した。
五世尾上菊五郎によって初演され、受け継がれてきた家の芸に向き合うたび、「客席の中に五代目(尾上菊五郎)がいるような気がする。『そんな衣裳の着方じゃだめじゃねえか』という声がフッと聞こえてくることがある。五代目だけでなく、父や羽左衛門のおじさんや紀尾井町のおじさん(二世尾上松緑)とか。『てやんでえそんな格好しやがって』と言われたような気がして、ゾクッとしてしまう」と代々引き継がれてきた家の芸の重みをにじませた。

海老蔵や松緑、そして息子の菊之助などの次の世代へ、この人気演目をどう継承していくか問われると、「若い人に覚えてほしいことは、言葉の間と、歌舞伎の江戸っ子言葉。映像で観るだけでなく、共演した感覚を覚えていてほしい。将来、きっと思い出してくれるでしょう」と次世代への期待も十分。さらにその次の世代である孫の寺嶋真秀も丁稚として共演する。

かつて同志であった同世代の“五人男”がそろうことはもうないが、その血を継ぐ若きホープたちとの“新生・五人男”。「あそこはひたすら気持ちいいですよ」と菊五郎の語る〈稲瀬川勢揃の場〉の五人男の勢ぞろいは、ぜひ目に焼き付けておきたい一幕となるだろう。どうぞお見逃しなく。

この記事の写真

  • 「團菊祭五月大歌舞伎」取材会 1 尾上菊五郎
  • 「團菊祭五月大歌舞伎」取材会 2 尾上菊五郎
  •  『弁天娘女男白浪』(2010年 歌舞伎座)尾上菊五郎

インフォメーション

歌舞伎座百三十年
『團菊祭五月大歌舞伎』十二世市川團十郎五年祭

2018年5月2日(水)〜26日(土)
・会場=歌舞伎座
・チケット発売中
・料金=全席指定1等席18,000円/2等席14,000円/3階A席6,000円/3階B席    4,000円/1階桟敷席20,000円

関連サイト

トラックバック

この記事のトラックバックURL

http://www.theaterguide.co.jp/mt/mt-tb.cgi/9908