森新太郎演出×中山優馬主演『The Silver Tassie 銀杯』が上演 - 2018年6月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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『The Silver Tassie 銀杯』森新太郎(左)と中山優馬

▲ 森新太郎(左)と中山優馬


森新太郎演出×中山優馬主演タッグによる舞台『The Silver Tassie 銀杯』が、世田谷パブリックシアターにて11月に上演される。

本作は、アイルランドの劇作家ショーン・オケイシーが、1928年に執筆し、翌年ロンドンで初演された作品。第一次世界大戦のアイルランドを舞台に、“銀杯(優勝カップ)”を抱え、輝かしい将来を嘱望されたフットボール選手ハリー・ヒーガンが、戦争に翻弄されていく姿を描いたものだ。青春期特有の恋愛ドラマも織り込みながら、希望に満ちた人生を選択できたはずだった一人の青年が、国家の大義名分ともうべき“戦争”の犠牲となっていく過程を、笑いあり涙ありの骨太な“反戦喜劇”としてつづっている。

ストレートプレイではあるが、多くの歌に彩られるという本作。中山も何曲ものナンバーを歌い、さらに楽器も演奏する予定とのこと。森演出のもと、新たなチャレンジに取り組む姿にもファンは注目だ。

■森新太郎(演出)
第一次大戦中、約20万人のアイルランド人がイギリス兵として戦場に向かった。それは、イギリス帝国内でアイルランドが対等の立場を得るための、積極的な戦争協力であった。すぐにイギリス側が勝利するという楽観的な憶測は外れ、戦争は長期化、地獄のような塹壕戦を兵士たちは味わうことになる。そして大戦の終結から10年後、ショーン・オケイシーはこの戯曲を書いた。一種の反戦劇である。
その数年前から、ダブリンの下層民たちを描いた悲喜劇「ダブリン三部作」によって、彼の名はすでに世に知られていたが、それらは常に物議を醸していた。彼は笑いをふんだんにまぶしながらも、市井の人々のありのままを描写した。そこに描かれたダブリン市民の欺瞞・不寛容・残酷さは、当時の愛国者たちにとって受け入れがたいものだった。そのため、時に上演は妨害され、暴動にまで発展したという。
『The Silver Tassie 銀杯』に至っては、劇場側が上演自体を拒絶したため、初演はロンドンで行われた。本作品では、ダブリンにおけるありふれた日常と、戦場における極限状態とが対比的に描かれる。そのどちらにも等しく“暴力”が存在するということを、オケイシーは人々に訴えたかった。
ロンドンの初演から90年、おそらく今回が日本での初演となる。彼の鳴らした警鐘は、現在の我々にどう響くであろうか。他に類を見ない、この奇妙かつパワフルな反戦悲喜劇を、どうか劇場で目撃していただきたい。
【中山優馬くんへ】
『The Silver Tassie 銀杯』は、第一次大戦の10年後に書かれました。作者のショーン・オケイシーは反骨の社会派として知られ、当時、彼の作品は常に物議を醸していました。実際、ここまで奇妙かつパワフルな反戦悲喜劇を私は知りません。今回、この大作に中山くんと挑めることを、本当にうれしく思います。戦争によって、夢ある人生を奪われてしまう主人公のハリー。「命ある限り望みはある」という慰めの言葉すら彼には呪わしい……。非常な覚悟を要する役です。今も昔も、世界中にハリーはいます。断言できますが、この舞台には俳優・中山優馬が必要です。一緒に頑張りましょう!

■中山優馬
今回、『The Silver Tassie 銀杯』に出演できること大変ありがたく思います。森さんが演出をなされた舞台を拝見させていただいた時に、背筋が伸びる思いというか、神経を研ぎ澄ませて、全力で挑まないと自分には務まらないなと思いました。きっと稽古の段階から濃厚で密な時間を過ごせると思います。どのようなな形に仕上がったのか、ぜひ劇場で確かめてください。一生懸命頑張ります。

インフォメーション

『The Silver Tassie 銀杯』

【スタッフ】作=ショーン・オケイシー 翻訳・訳詞=フジノサツコ 演出=森新太郎
【キャスト】中山優馬 ほか

2018年11月
・会場=世田谷パブリックシアター

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