渡辺えり&キムラ緑子「有頂天シリーズ」第3弾はマギー演出『喜劇 有頂天団地』 - 2018年10月 - 演劇ニュース - 演劇ポータルサイト/シアターガイド
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『喜劇 有頂天団地』会見 1 左から、マギー、鷲尾真知子、キムラ緑子、渡辺えり、笹野高史、広岡由里子

▲ 左から、マギー、鷲尾真知子、キムラ緑子、渡辺えり、笹野高史、広岡由里子

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渡辺えり&キムラ緑子共演「有頂天シリーズ」の第3弾『喜劇 有頂天団地』の記者懇親会が、都内で行われた。

渡辺&キムラのコンビで上演されてきた『喜劇 有頂天旅館』(2015年)、『喜劇 有頂天一座』(18年)の「有頂天シリーズ」。第3弾となる今回は、1978年に初演された小畑欣治の戯曲『隣人戦争』を、松竹では初となるマギーの演出で『喜劇 有頂天団地』として送る。

本作は、昭和50年代の初め、郊外の小規模建売住宅を手に入れた6軒の家族の日常生活に巻き起こる、小さな事件の積み重ねをきめ細かく描いた喜劇。夫が外国航路船員の隅田家の主婦・秀子(渡辺)と、夫が帝国ホテル勤務の徳永家の主婦・くに子(キムラ)を軸に、それぞれ隣人に見栄を張りながらも、次第にお互いの真実の姿があらわになっていくさまを描いていく。夢のマイホームでの新しい生活の中、さまざまな出来事を乗り越えて、隣人同士の絆が深まっていく姿を紡ぐ、笑いあり涙ありの物語だ。

渡辺&キムラのほか、共演には、鷲尾真知子、広岡由里子、笹野高史など、個性豊かな実力派たちが顔をそろえる。

まずは、会見での登壇者の挨拶は以下の通り。

■マギー(演出)
非常に緊張感が高まっていますが、緊張する時は台本を開いて、読み返すたびに、この素晴らしいメンバーで、これを立体化していくのがどんどん楽しみになって、ワクワクの方が大きい現在です。先ほどお会いして、久しぶりに法事に集まった親戚のような空気感で(会場笑)、賑やかな空間になりそうで、とにかく早く稽古が始まらないかなという今であります。
皆さんには、とにかく稽古場で、いろいろなことを試してもらいたい。稽古場は実験の場ですので。きっと全員、誰かが何かを仕掛けても受け入れられるメンバーだと思うので、いろいろなことが試せる空気をつくっていけば、きっとその先には、楽しい本番が待っていると思います。出演者全員の気持ちになってホンを読むと、みんなどうやってくれるのかなと、ニヤニヤしてしまいます。先輩ばかりで恐縮もするんですけど(笑)、楽しみでいっぱいです。

■渡辺えり
メンバーは、みんな真面目で演劇好きの気の合う仲間たちで、楽しい稽古場になるんじゃないでしょうか。原作は『隣人戦争』というタイトルですが、“隣人愛”の話でもあると読み込んでます。大ゲンカしながらも愛情のあるように、なるべくデフォルメして、昭和の情の濃さを出して、現代に欠けたものの問題点が浮き彫りになる芝居になると思います。
『〜旅館』『〜一座』はどちらも北條秀司先生の作品に、齋藤雅文さんがアレンジを加えたものでしたが、今回は小畑欣治さんの戯曲。前2作は、女性が自立している作風でしたが、小畑さんは女性が自立していく姿を描いています。昔の作品ですが、男社会の中で、女性を中心に、女性の存在や、女性の悩み苦しみ、生き方を鋭く描いている作品だと強く感じますね。当時の現代社会をシビアに突き放しながら、人間の在り方を書くのが得意な小畑さんの戯曲に、マギーさんがどのように遊びを入れくれるのか、今までとはちょっと違う視点の舞台になると思います。

■キムラ緑子
シリーズ3作目で、今まで以上にワクワクウキウキ、早く稽古にならないかと思うくらい。というのも共演は、大好きな俳優の方々で、初めて舞台で共演する方ばかりなので、うれしいな、勉強になるな、という思いでいっぱいです。
これまでの2作とも、お会いしたことのない作家の作品を読み、役を身体に通し、どういう思いで書かれたのかを知り、普遍的ですごく生々しいという印象でした。もともと『隣人戦争』という題名で、大きく大きく広げると、社会の中でみんながチマチマといがみ合う様子を描いたものだと感じました。人間って大切なことや、やりたいことが分かってるはずなのに、それが分かるまでに、一度揉めたりしないとたどり着かない。そして、行き着いたところで、またもう一度繰り返す。人間って愚かだけど、そういうもんなんだなと思ったりもするし、そんなさまが、この団地というちっぽけな片隅の中で、チマチマと繰り広げられるのが、ものすごく面白いなと思っています。

■笹野高史
(芝居がかった調子で)初めて、えりさんにお目にかかったのは、33か34のころ、恵比寿のボロアパートのドアの外にいたのがえりさんでした……。その時は夢にも思わなかった、新橋演舞場という晴れの檜舞台で、多大な期待をかけられる役者になろうとは! 涙涙の只今でございます!(会場笑) 方や、キムラ緑子さんは私と同じ淡路島! 同じ高校出身! 淡路島からこんなすごい女優が出たことは自慢にしております。もう一つの自慢はジュリーと同い年ということ(会場笑)。そのお二人の傍らでどんな仕事ができるのか? (渡辺は)レアなステーキ、(キムラは)アワビの山盛り、(鷲尾は)刺し身に(広岡は)フレンチ、私は酢漬けのピクルスあたりで立場を探ろうと思ってます(会場笑)。元気に現代を浮き上がらせる芝居になればいいなと思っております。

■鷲尾真知子
シリーズを拝見して、新しい形の商業演劇、演舞場の喜劇が育っていると感じましたし、お客様の反応も温かく、そこにご一緒させていただくこと、本当に楽しみにしておりました。(鷲尾と同役を演じた)一の宮あつ子さんの出演された公演のチラシを拝見した瞬間、とても身の引き締まる思いがいたしました。たくさんの先輩女優がつくってきたキャラクターを、今度は自分がそのポジションに立たねばならない年になったのだとつくづく思いました。皆様に楽しんでいただいて、幸せな気持ちで劇場を後にできる作品に参加できること幸せに思います。何しろ私は、この皆さんにカーブや直球とか、稽古場でいろいろな球を試したい。どうやって受けて返してくれるか楽しみにしています。

■広岡由里子
有頂天シリーズは2回目の参加になります。大先輩たちとご一緒できるのは光栄なんですが、キムラ緑子さんの姑役という一番年上の役のようで、これからどうしたらいいのかしらとも思っています(笑)。役は、笹野さんと同じくらいの年なんでしょうか? でもあまり年齢を考えずに、「喜劇」とあるので、人間のダメなところ、みっともないところをいっぱい並べて、笑えるものにしたいです。
最近は、SNSとかで一人で何でもやることが多いですが、好き嫌いに関わらず、たまたま出会った隣人とたくさんコミュニケーションを交わす会話劇。一人ぼっちにならないで、会話することが大事であり、それが楽しいんだと、お客さんに伝わればいいなと思います。

『三婆』でも共演し、シリーズは3作目と、和気あいあいとしたムードがうかがえる、渡辺とキムラ。キムラは「初めて共演する前は、いろいろな方から『えりさんとは合わないんじゃないか』とウワサを聞いてたんです(笑)」と明かしたが、「でも稽古に入ったら、なぜそう言ってたのか分からないくらい、ずっと昔からお芝居を一緒にやってるような感覚でした。というのも、私が好きに言っても、えりさんは何でもOKで、大きいんです。身体だけでなくて(会場笑)。正直に言えば、何でも受け入れてくれるし、遠慮なく言わせてもらえる先輩で、共に芝居をつくれるのはうれしいです。私生活もかなり突っ込めるようになりました(笑)」とにっこり。

対して渡辺は「緑子ちゃんは、うまい人だと分かってたので、何も心配なかったです。変なウワサも聞かなかったし(笑)」とコメント。「緑子ちゃんは本気でやる人。常に本気で全身アザだらけで、本当に殴り、倒れ、そこまでやらなくていいんじゃないって思ってもやっちゃう。夢中になって、手を抜かない方なので、今度もケンカのシーンがいっぱいあるので、ケガしないようにがっちり稽古します」と気を引き締めた。

二人を知る笹野は「僕も客観的に見ると二人は合わなさそうだと思った(笑)」と冗談を交えつつも、「良い作品をつくろうという一つの同じ志に向かっていると、どんなことでも分かり合えるのは、不思議な俳優の仲。螺旋を描くように、どんどん良い作品になっていくであろう稽古場が楽しみ。耳栓を用意した方がいいくらい、かしましい稽古場になるんじゃないですかね(笑)」と笑顔で期待を膨らませた。

さらに、渡辺とプライベートでも親交のあるという笹野は「ほかの仕事で何か不満があると、必ず僕のところに電話がかかってくる(笑)。彼女の中では、こういう悩みは、まずこの人に聞くとか、電話帳の順番ができてるんじゃないかな(笑)」と暴露する。

これに、渡辺は「(笹野は)いろいろなことを経験されてるから大人なんです。私が子供っぽいから、『良識としてこういう時はどうしたらいい?』と相談すると、すごくいい答えをくださる。笹野さんの言うことを聞いているとうまく治まるんです」と大きな信頼を寄せているよう。「この舞台でも何かあったら笹野さんにお願いします」と話すと、笹野は「それは別料金になってますので(笑)」と切り返し、会場から笑いが起こった。

また、報道陣から作品名にちなみ「有頂天になる瞬間は?」という質問も。「人に褒められると有頂天になって踊っちゃったりする(笑)」という渡辺に対して、キムラは「人に褒められるのが苦手で、褒められると絶対ウソだと思っちゃう(笑)」と対称的で、「だから、えりさんはいいなって思います。私は有頂天になりたいんです」と述べる。笹野は「有頂天って経験はあまりなくて。普段の生活では、ストレスも溜まらず、感情の起伏のないつまらない男なんです」と答えると、鷲尾は「ずっと有頂天なんじゃないの?(笑)」とツッコんで笑い合っていた。

ここで、渡辺が子供時代を回想し「そういえば“最初の有頂天”を思い出すと、父親がババナを買ってきた時かな。バナナが高級だったころ、ボーナスの次の日だけはバナナが家にあったんです。それで弟と二人でコタツの上で、大騒ぎしてましたね(笑)」と笑うと、鷲尾は「それならショートケーキとかシュークリームとか!」、笹野も「俺、サイダー!(笑)」と賑やかに思い出が明かされていく。渡辺は「食べ物ですね。そういえば、差し入れでうまいものがあると、楽屋で踊ってる(笑)」と笑い、これからの稽古場の様子を、早くもうかがわせるような雰囲気の会見となった。

この記事の写真

  • 『喜劇 有頂天団地』会見 1 左から、マギー、鷲尾真知子、キムラ緑子、渡辺えり、笹野高史、広岡由里子
  • 『喜劇 有頂天団地』会見 2 マギー
  • 『喜劇 有頂天団地』会見 3 渡辺えり
  • 『喜劇 有頂天団地』会見 4 キムラ緑子
  • 『喜劇 有頂天団地』会見 5 笹野高史
  • 『喜劇 有頂天団地』会見 6 鷲尾真知子
  • 『喜劇 有頂天団地』会見 7 広岡由里子
  • 『喜劇 有頂天団地』会見 8 左から、笹野高史、渡辺えり、キムラ緑子
  • 『喜劇 有頂天団地』会見 9 渡辺えり(左)とキムラ緑子
  • 『喜劇 有頂天団地』会見 10 左から、マギー、広岡由里子、笹野高史、渡辺えり、キムラ緑子、鷲尾真知子

インフォメーション

『喜劇 有頂天団地』

【スタッフ】作=小幡欣治『隣人戦争』より 演出=マギー
【キャスト】渡辺えり/キムラ緑子/西尾まり/久世星佳/明星真由美/片山陽加/一色采子/田中美央/鷲尾真知子/広岡由里子/笹野高史 ほか

■東京公演
2018年12月1日(土)〜22日(土)
・会場=新橋演舞場
・チケット発売中
・料金=全席指定一等席12,000円/二等席8,500円/三階A席4,500円/三階B席3,000円/桟敷席13,000円

■京都公演
2019年1月12日(土)〜27日(日)
・会場=京都四條南座
・チケット発売中
・料金=全席指定一等席12,000円/二等席6,000円/三等席4,000円/特別席13,000円

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